第7回 JAPANコンストラクション国際賞

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先駆的事業活動部門

タイ国電子基準点に係る国家データセンター能力強化及び利活用促進プロジェクト(JICA技術協力)

事業活動の概要

  • タイの「電子基準点に係る国家データセンター(NCDC)」の安定運用のため、現地職員に対して電子基準点に係る技術を移転するほか、高精度測位サービスの社会実装に向けて、日本企業や現地企業と連携したパイロット事業等を実施。
  • NCDC職員の能力強化や高精度測位技術の認知度向上等を通じて、タイの土木工事現場等における生産性を向上させるとともに、農業や自動運転分野等での高精度測位技術を用いた新ビジネス創出の環境を整備。

データ

応募者:株式会社パスコ
国際航業株式会社
株式会社ジェノバ
活動期間:2020年9月~2024年2月
活動地域:タイ/バンコク

評価のポイント

  • タイにおいて、初めての電子基準点網の運用・高精度測位サービスの利活用の促進に係る取組を行い、NCDCの安定運用を実現し、高精度測位技術を持つ日本の関連産業の海外展開の基盤を形成した。
  • 日本が官民で培った電子基準点の運用・利用に係る技術やノウハウを活かした技術移転を行った。
  • 日本企業やタイ企業と連携したパイロット事業を通じて、日本の技術やサービスをPRするとともに、現地の社会課題解決に貢献した。

塗る耐震で地震犠牲者ゼロに

事業活動の概要

  • 世界人口の60%が居住している組積造(石やレンガを積み上げる工法)の建築物を耐震補強するため、独自開発した耐震塗料を使用し、公共施設や住宅等の耐震補強を実施。
  • 現地財閥関連企業と連携し、フィリピンの学校4万棟を耐震補強するパイロット事業を実施。
  • 更なる事業展開に向けて、現地不動産デベロッパーの認証を取得するための技術審査を受けている。

データ

応募者:株式会社Aster
活動期間:2019年1月~2030年3月(予定)
活動地域:
ネパール/カトマンズ、フィリピン/マニラ・オルモック、台湾/台北・台中

評価のポイント

  • 「塗る耐震」という独自の技術コンセプトを確立し、安価で、簡単で、文化適合性が高い耐震技術を提供することで、途上国の防災課題の解決に貢献した。
  • 貧困層から中間層までリーチするため、現地住宅ローンを活用した金利優遇措置など、地域住民に対して耐震補強するインセンティブを与えられるよう現地自治体と交渉した。
  • 既存建物の耐震性を安価で簡単に向上させられ施せることから、現地の強靱性を高めるインパクトが大きい。

米国における道路橋点検の高度化に資する活動

事業活動の概要

  • 日本の高速道路事業で培った赤外線技術を用いた道路橋点検技術を米国市場に展開するため、様々な活動を実施。
  • 米国政府主催のワークショップ等の機会を通じて技術の普及に努め、無償パイロット事業等を通じて粘り強く技術の信頼性を証明し、当時は米国であまり普及していなかった赤外線技術を用いて橋梁点検を効率化する道路管理者を徐々に増やすことに成功。
  • カリフォルニア州政府が大学と共同開発した道路橋非破壊検査車両のシステムに採用され、カリフォルニア州政府職員へ点検手法・ノウハウを移転することで、同州の道路構造物標準作業手順書の作成に寄与。

データ

応募者:NEXCO-West USA, Inc.
活動期間:2011年1月~ 継続中
活動地域:米国/ワシントンD.C.

評価のポイント

  • 米国内14州において約100件の適用実績を作り、技術の認知度を高めた。
  • 実際の橋梁で得られた成果を技術論文として公表し、現地有識者や道路管理者等と共有することにより、技術の優位性を示し、現地の標準的点検手法として要領化された。
  • 日本企業が優位性を持つデジタル技術により、赤外線データ・高解像度画像の処理や解析精度を向上させ、現地同業他社と差別化するとともに、日本で培った道路管理者としての知見を活かし、橋梁部材の損傷の推定要因や応急措置対策を提示し、きめ細かい技術サービスを提供。

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