第8回 JAPANコンストラクション国際賞
建設・開発プロジェクト部門
SORA gardens Ⅱ




プロジェクトの概要
- ビンズン新都市に所有する約110haの土地において、分譲住宅や商業施設の開発、公共交通の運営、医療施設等の誘致等を行う長期面的 開発の一環として、分譲マンションを開発。
- ビンズン省※では初となるスマートホームシステムを導入するほか、路線バスの運行や公道の緑化等、住民以外にも配慮したまちづくりを展開。※2025年7月1日より、ホーチミン市
データ
応募者:ベカメックス東急
工期:2019年5月~2021年5月
関係者
発注者:BTMJR社(ベカメックス東急と三菱地所グループとのJV)
設計者:
プランテックアーキテクツ(コンセプト設計)
SWAベトナム(基本設計、詳細設計)
施工者:Newtecons社
管理運営者:ベカメックス東急
評価のポイント
- 国内で培ってきた公共交通志向型開発のノウハウを生かし、住宅開発のほか、商業施設の開発、公共交通の運営、学校やクリニック等生活インフラの誘致、祭やサッカースクールの開催・運営等を行い、まちづくりをパッケージとして輸出。
- スマートホームシステム、マンション管理アプリの導入や路線バスの位置情報可視化等、同エリアにおいて最先端の技術を導入し、利便性向上。
- 現地企業との連携や、現地政府との密な関係構築により、開発前段階から情報共有や提案等を実施し、街全体の開発方針検討に貢献。
- 日系企業がメジャーとなった合弁会社を現地企業と設立。ビンズン新都市開発を行う会社として企画、設計、施工、販売、運営、交通、ソフト施策等を一体的に主導し、長期的目線でのまちづくりを行うことで現地政府・現地パートナーからの信頼を獲得。

ホニアラ国際空港整備計画




プロジェクトの概要
- ソロモン諸島の玄関口として機能する首都空港において、国際線出発ターミナルビルの新設、既存国際線ターミナルビルの改修(国内線/国際線到着)、駐機場の拡張、洪水対策施設等の整備を実施。
- 現地の職業訓練校の生徒を招いた現場研修や地域の学生を招いた見学会等で地域に開かれた工事。
データ
応募者:
株式会社ジャイロス
株式会社江平建築事務所
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
北野建設株式会社
工期:2019年12月~2023年3月
関係者
発注者:ソロモン諸島通信航空省
設計者:
株式会社ジャイロス
株式会社江平建築事務所
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
施工者:北野建設株式会社
運営管理者:ソロモン諸島空港公社
評価のポイント
- 維持管理が容易な航空灯火システムを構築するほか、現地でも入手しやすい資材・機材を採用することで、運用後のメンテナンスコストを抑制。
- 同空港でニュージーランド政府や世界銀行が実施している支援プロジェクトに配慮し、空港の設計や導入する機材等を同プロジェクト担当者と調整し、全体最適化を図った。
- 工事中には現地人技術者を複数名雇用し、OJTを通じた能力開発を行った。
- 厳密な品質管理を実施し、その記録を全て書面に残したことで、発注者から高い評価を得た。
- 日本の耐震基準に基づいた構造設計を採用。
AXIA South Cikarang Tower3 プロジェクト




プロジェクトの概要
- 先行開発したAXIA Tower1とTower2に続き、チカラン地区にファミリー向けのAXIA Tower3 を開発。
- 本邦商社の企画・運営力と本邦ゼネコンの設計・施工品質で「安心・安全・快適な住環境」を提供し、そのノウハウを現地人材へ技術移転。
- 地域住民も利用できる商業施設や医療施設の誘致により、地域の生活インフラを充実。
データ
応募者:
豊田通商株式会社
株式会社竹中工務店
工期:2019年12月~2021年9月
関係者
発注者:PT. Toyota Tsusho Real Estate Cikarang(豊田通商グループ)
設計者:インドネシア竹中+竹中工務店
施工者:インドネシア竹中
運営管理者:PT. TTL Residences(豊田通商グループ)
評価のポイント
- 日本のホテル・住宅設計やランドスケープのノウハウを活かし、快適な住環境を創出。
- 日本のホスピタリティや設計・施工・運営ノウハウを現地へ技術移転するほか、日本語教育も実施。日本でも活躍できる人材の育成に寄与。
- チカランエリアにて10年以上まちづくりを推進する中で獲得した知見を活かした企画開発。
- 現地大手財閥・行政・マスターデベロッパーと連携し、同エリアの価値向上、雇用創出に貢献。
The GEAR




プロジェクトの概要
- オフィス機能、先進的技術を研究・開発するラボを始めとするR&D機能、オープンイノベーションの推進拠点としての機能の3つを融合した施設を開発。
- 生産性向上、持続可能性、ウェルビーイング等の建設業界を取り巻く重要な社会課題に対する技術の研究開発・実証実験・社会実装を支援するハブとして機能。
データ
応募者:カジマ・デベロップメント・PTE・リミテッド
工期:2020年12月~2023年3月
関係者
発注者:カジマ・デベロップメント・PTE・リミテッド
設計者:鹿島建設株式会社 建築設計本部
施工者:カジマ・オーバーシーズ・アジア(シンガポール)PTE・リミテッド
運営管理者:カジマ・デベロップメント・PTE・リミテッド
評価のポイント
- 日本で培った多数の環境配慮技術をシンガポールに初導入し、新規技術のショーケースとして活用。特にハイブリッド空調はシンガポール教育省から高く評価された。
- ウェアラブルデバイス、カメラ、各種センサーなどにより、建物内の人のバイタルデータや位置情報、環境情報等のデータを収集・解析し、ウェルネスに寄与する空間を創出。
- 経済、雇用創出、技術開発等への貢献度が評価され、政府保有土地の優先割当を受けて開発。
- 政府、大学、研究機関、スタートアップ、異業種企業、各国技術者との交流を促進し、様々な主体が新たなビジネスを生み出し、社内外の人材のイノベーションを創出する仕組みを構築。
第2期ホーチミン市水環境改善事業Package G 遮集管システム建設工事




プロジェクトの概要
- 雨季の冠水や河川の水質汚濁等が問題となっているホーチミン市において、ベトナムでは実績の少ない推進工法で下水道管路を整備。
- 非開削工事により一般交通や周辺住民に対する影響を最小限に抑え、発注者からも高く評価された。
- 長年現地で推進工法の普及活動を行い、中小企業でありながらも大型案件を受注。
データ
応募者:ヤスダエンジニアリング株式会社
工期:2016年3月~2022年11月
関係者
発注者:ホーチミン市都市交通施設建設投資管理局
設計者:
日水コン
パシフィックコンサルタンツ
日本工営
VIWASE共同企業体
施工者:ヤスダ・コーロン共同企業体
管理運営者:ホーチミン市都市交通施設建設投資管理局
評価のポイント
- 日本の推進工法技術の特徴である長距離施工と曲線施工を活かし、市民生活・経済活動への影響を最小限に抑えつつ、都市環境の改善と都市型洪水への強靱性の向上を図った。
- 現地人材を施工オペーレーターとして育成。現地人材の指導係として、帰国するタイミングの技術実習生を配置。
- ベトナム人の技術者・技能者を日本で受け入れ、育成し、現地法人で採用する人材還流の仕組みをつくり、海外下水道案件を受注できる体制を整えている。
- 推進工法の普及活動の実施や基準書を作成する官民連携事業の参加を通じて、将来案件を創出。
第二次バルカ県送配水網改修・拡張計画




プロジェクトの概要
- 砂漠地帯で水資源が乏しい一方、難民流入により人口が急増している地区において、老朽化した上水道施設(送水管・配水管、配水池、減圧弁室等)を改修し、住民の水へのアクセスを改善。
- 現地の規制要件に基づき、現地では実績の少ない非開削工法や不断水工法を採用せざるを得なかったため、日本から専用機材を持ち込むとともに現地技術者・水道局職員に対する技術移転を実施。
データ
応募者:大日本土木株式会社
工期:2017年12月~2020年1月
関係者
発注者:水灌漑省 ヨルダン水道庁
設計者:株式会社東京設計事務所
施工者:大日本土木株式会社
管理運営者:水灌漑省 ヨルダン水道庁
評価のポイント
- 日本人技術者等による徹底した品質管理と技術指導により、全路線で漏水ゼロを達成。
- デジタル技術を活用した遠隔監視システムの導入により、水圧・流量をリアルタイムで管理し各地区へ無駄な送水を抑制し、エネルギー効率を最適化。
- 朝礼時間を活用した実技指導による技術移転を月に1、2回実施。
- 中東地域・上水道工事の経験が少ない若手社員を意図的に派遣し、異文化環境下での円滑なプロジェクト運営手法の教育を実施。育成した人材がその後も海外事業で継続的に活躍。
地下鉄トムソン線アッパートムソン駅およびトンネル工事(T212工区)




プロジェクトの概要
- 地下鉄トムソン線のほぼ中間に位置する地下2層のアッパートムソン駅(延長228m)、当駅と隣工区のカルデコット駅の中間に位置する発進立坑と4本のシールドトンネル(掘削延長約3.9km)を整備。
- 交通量の激しい主要幹線道路や既設地下鉄営業線の直下の複雑な地盤での掘進作業が求められたため、特殊なシールドマシン、トンネル掘進管理システム、引抜型推進機等の本邦技術を採用。
データ
応募者:佐藤工業株式会社
工期:2013年11月~2021年8月
関係者
発注者:シンガポール陸上交通庁
設計者:
T.Y.Lin International
DP Architects
Kiso Jiban Singapore
施工者:SATO KOGYO (S) PTE. LTD.
管理運営者:シンガポール陸上交通庁
評価のポイント
- LED照明、自然採光、無人時停止エスカレータ、ソーラー発電、空調設備の水の循環再利用、用地復旧時の植栽等によりグリーンマークプラチナ賞を受賞。
- 工事排水の高度処理、建設発生土の再利用等のゼロエミッションを目指した取組を実施。
- 排土される砂および礫をリアルタイム計測を行い、過掘が無い事を確認し陥没事故を抑制。
- 掘進管理システム等の本邦技術がシンガポールで広く普及するきっかけとなった。
- 現地人材に工程の組み方や測量・原価管理等の方法など、日本式の教育を実施した。
モンバサ港開発事業フェーズ2 コントラクトパッケージ1




プロジェクトの概要
- モンバサ港のコンテナ貨物取扱量の増加に対応するために、フェーズ1で整備した設備の拡張事業。
- フェーズ1での経験を活かした工法の提案や発注者との関係構築、コロナ禍ではフェーズ1で育成した現地職員・作業員により工事を継続するなど、継続受注の強みを活かした。
データ
応募者:東洋建設株式会社
工期:2018年9月~2022年5月
関係者
発注者:ケニア港湾公社
設計者:
株式会社日本港湾コンサルタント(日本)
BAC Engineering & Architecture Ltd(. ケニア)
Gachagua Kahoro & Associates(ケニア) JV
施工者:東洋建設株式会社
管理運営者:ケニア港湾公社
評価のポイント
- 施工BIMを導入するにあたり現地技術者に対するBIMの勉強会を開催することで、協力会社との連携や施工管理を効率的に実施し、発注者等から高い評価を得た。
- 品質を維持するため、工場で継杭部を溶接した長尺杭や飛沫帯部分への重防食技術を採用した。
- 1期工事で技術移転・育成した現地職員・技能者等を継続雇用した。
- 同地域の将来案件に備え、現地オペレーターや技能者への勉強会や技術指導を継続。
- フィリピン人の日本への技能実習の受入れを継続的に実施し、海外事業に現場指導員として派遣。