第8回 JAPANコンストラクション国際賞

英語版 (English)

先駆的事業活動部門

台湾における道路陥没予防事業の創出と拡大

事業活動の概要

  • 災害の激甚化やインフラ老朽化に伴う道路陥没が多発する中、その原因となる地下空洞を走行車両から高解像度センサーで調査・データをAIで解析する技術を開発し、台湾やアメリカで社会実装。
  • 独自技術を活かし、自治体と連携した空洞調査や自治体に対する陥没予防のための総合的な提案を行い、台北市や高雄市での計画的な陥没予防対策や制度化された建設工事における空洞調査等に貢献。

データ

応募者:
ジオ・サーチ株式会社
(現地中文名:巨設地工透視科技股份有限公司)

工期:2018年2月~(継続中)
活動地域:台湾/台北、高雄、台南、花蓮ほか主要各都市

評価のポイント

  • 台湾の地震・豪雨被災地でボランティア調査を実施し、技術適合性を確認。
  • 現地パートナー企業(現場作業、営業活動等)と応募者(機材開発、データ分析等)で協業し、自治体・政府案件を多数受注。
  • 地下空洞調査で平時より道路陥没のリスクを低減するほか、災害時には、新たに発生した地下空洞を迅速に把握することで二次災害を予防し、遅滞ない復興を実現。
  • 調査車両を複数台配備し、災害発生時の緊急出動体制を確保。
  • 地下埋設物可視化技術と組み合わせた事業展開。
  • 台湾向け新型調査車を開発し現地導入。

フィリピン鉄道訓練センター設立・運営能力強化支援プロジェクト

事業活動の概要

  • 日本の鉄道技術と運営ノウハウを活用してフィリピン初の国営鉄道訓練センターの設立に構想段階から関与し、研修を通じて鉄道従事者の運行管理・保守技術・安全管理等のスキル向上に貢献。
  • 研修カリキュラムや教材の整備、フィリピン人指導員の養成、運転シミュレーターの導入等を支援することで、フィリピン鉄道分野の人材育成手法・体制を確立。

データ

応募者:
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
東京地下鉄株式会社
株式会社アルメック

工期:2018年5月~2024年9月
活動地域:
フィリピン/マニラ

評価のポイント

  • 日本の技術・ノウハウを国営鉄道訓練センターに移転し、同センターが運営できる体制を構築。
  • 鉄道従事者の訓練体系・資格制度を一から設計し、鉄道人材のサプライチェーンを構築。
  • 日本の鉄道の運営技術、運転シミュレーター、安全綱領、クレペリン検査、指差喚呼等を導入。
  • 日本の人材育成手法で事故や保守不足による稼働率低下、サービス水準の低下等の課題を解決。
  • 現地大学に鉄道工学コースが新設され、国営鉄道訓練センターと連携した研修を実施。
  • 鉄道従事者の資格制度創設により鉄道業界を志望する学生が増えた。

マタディ橋保全計画

事業活動の概要

  • 1983年に円借款で整備したマタディ橋について、保全計画の一環として、ケーブル送気乾燥システムを設置するとともに、現地若手技術者に対する技術指導を実施。
  • マタディ橋の保全は、日本の支援が途絶えていた間も、橋梁整備時に日本人から技術指導を受けた現地技術者2名とJICA派遣専門家OBで構成する「マタディ橋を考える会」により実施されていた。

データ

応募者:
マタディ橋を考える会
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
株式会社IHIインフラシステム

活動期間:2015年5月~(継続中)
活動地域:コンゴ民主共和国/マタディ

評価のポイント

  • 日本企業の進出が少ないコンゴ民主共和国において、1990年代から活動を継続。
  • 日本の支援が途絶えた間も、技術指導や材料調達の協力等で現地の「橋守」を支援し続けた。
  • 長期にわたり現地技術者への技術指導を行い、現地における「質高インフラ」の実現に寄与。
  • 本邦企業が開発したケーブル送気乾燥システムを活用し、橋梁のケーブル防食対策を行った。
  • コンゴ人技術者が日本人から教育を受けた維持管理手順を忠実に実践し、維持管理を継続。
  • 完工後もケーブル内の湿度データを共有し、若手技術者へ助言・指導を継続。

PAGE TOP