資料1−5

日本経済再生への戦略(答申)

平成11年2月26日
経済戦略会議


第4章 活力と国際競争力のある産業の再生

 金融機関の不良債権と裏腹の問題として、産業には大規模な過剰債務と過剰設備及びこれに伴う過剰雇用が広範に存在する。21世紀において引き続き豊かな国民生活を維持し、質の高い雇用を維持していくためには、資本と労働の生産性を大幅に向上させ、真に活力と国際競争力のある高い付加価値を生む産業を再生していかなければならない。そうした産業再生・発展への道筋を明確に示すことが国民の将来への不安を軽減することにもなる。また、産業の再生と資本の収益率の大幅な改善なしには金融システムの再生も困難である。

 こうした認識に立って、産業における過剰債務と過剰設備を迅速に処理すると同時に、健全で創造的な競争社会の下で、将来大きな成長が期待される産業分野に経営資源等を集中して、その急速な発展をめざす。既存企業内部での新規事業も含め起業を積極的に支援するとともに、21世紀を担う産業の発展に技術開発を含め国を挙げて戦略的に取り組むことが重要である。

1.産業再生に向けたフレームワーク

 資本の生産性が低下している大きな要因は、過剰債務や過剰設備による資産効率の悪化であり、短期間のうちに過剰設備を処理することが重要である。併せて、成長分野における設備投資を促進するとともに、資本等の経営資源の効率的・効果的な活用がなされるよう経営組織革新のための環境を整備する。

 (1)過剰設備の処理の支

 今後2年間で過剰設備が集中的に処理されるよう、その促進のため、2年間に期限を限って次のような措置を講じる。

(中略)

(後略)


経済戦略会議については首相官邸ホームページで詳しく紹介されています。

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