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下水道

2.社会資本整備重点計画

 

1)計画策定までの経緯

省庁再編のメリットを活かし、社会資本整備事業を重点的、効率的かつ効果的に推進することを目的とし、平成15年3月に「社会資本整備重点計画法」および「社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2法が成立した。あわせて下水道整備緊急措置法が廃止された。

これに基づき、関係する9本の事業分野別長期計画を一本化し、「社会資本整備重点計画」が策定された(平成15年10月10日間議決定)。

2)社会資本整備重点計画のポイント

@ 本計画の特徴
○横断的政策テーマを設定した上で、これまでの事業分野別の長期計画を一本化、コスト縮減や事業間連携の強化等の取組みを含む新たな計画へと転換を行った。
○計画策定の主眼を従来の「事業費」から「達成される成果」へと変更した。
○情報公開の徹底や国民に対する説明責任の重要性に鑑み、策定に当たってPI (パブリック・インボルブメント)や、都道府県からの意見聴取を実施した。
○長期計画に対する計画策定後の対応が十分でなかったことへの反省を踏まえ、社会情勢の変化に対応し、必要に応じて重点計画の見直しを実施する。
○重点計画に定められた社会資本整備事業については、「行政機関が行なう政策の評価に関する法律」に基づく事業評価を実施する。
A 社会資本整備重点計画の構成
○前文・・・重点計画の理念とともに重点計画策定の背景と経緯、事業横断の計画とした意義等
〇第1章・・・事業評価の厳格な実施、コスト縮減・事業の迅速化、地域住民等の理解と協力の確保等、公共事業改革を進めていく上での横断的施策

〇第2章・・・ 「暮らし」「安全」「環境」「活力」の4つのテーマを設け、15の重点目標とその達成度を測るための35の指標及び達成のための事業の概要(下記参考資料)

〇第3章・・・事業分野別に今後の取り組みと目標、事業の概要

3)社会資本整備重点計画における下水道事業

@ 事業分野別の取り組み方針

都市の水循環における下水道の役割が相対的に重要になってきている現状を踏まえ、国民の視点、流域管理、多様な主体との連携・協力、施設の効率的な管理運営、国際化への対応といった点に留意しつつ、下水道の重点的かつ計画的な整備を推進する。

A 重点目標と事業の概要
○暮らし〜衛生的で快適な生活の実現

地域の特性に応じ、浄化槽等との適切な役割分担の下、未普及地域の解消を図る。

  • 【汚水処理人口普及率】(環境省、農林水産省との連携指標)76% (H14)→86% (H19)
  • 【下水道処理人口普及率】65% (H14)→72% (H19)
○安全〜大雨にも安全な都市づくり

雨水対策の一環として、河川事業との連携、雨水浸透の積極的導入、ハザードマップ作成等のソフト対策など、総合的な都市浸水対策を推進する。特に、著しい浸水被害のおそれのある地域で、安全性を早急に確保する。

  • 【床上浸水を緊急に解消すべき戸数】(河川局との連携指標)約9万戸(H14)→約6万戸(H19)
  • 【下水道による都市浸水対策達成率】51% (H14)→54% (H19)
○環境〜良好な水環境の形成

水道水源水域や三大湾等の水質保全上重要な地域において、普及拡大に加え高度処理施設の整備を推進する。また、排出される汚濁負荷量を分流式下水道と同程度以下に削減すること等を当面の目的として、合流式下水道の緊急改善を推進する。

  • 【環境基準達成のための高度処理人口普及率】11% (H14)→17% (H19)
  • 【合流式下水道改善率】15% (H14)→40% (H19)
○環境〜循環を基調とした環境負荷の削減

普及拡大等に伴い増加する下水汚泥の減量化・有効利用に努めるとともに、下水汚泥焼却に伴い発生する一酸化二窒素等の温室効果ガスの排出抑制対策を推進する。

  • 【下水汚泥リサイクル率】60% (H14)→68% (H19)
○その他〜下水道施設の徹底的な活用

これまで築いてきた下水道施設のポテンシャルを活用し、親水空間の整備や処理水・雨水の有効利用、処理場の上部空間の緑化など、水・緑環境の創出を図り、併せてヒートアイランド現象の緩和にも寄与するとともに、光ファイバーの収容、温冷熱エネルギーの有効活用等、都市再生にも最大限活用する。また、施設機能を良好に維持できるよう、計画的な再構築を推進する。

4)次期社会資本整備重点計画の策定に向けた検討

平成20〜24年度を計画期間とする次期社会資本整備重点計画の策定に向け、社会資本整備審議会・交通政策審議会計画部会に平成17年4月に基本問題小委員会を設置し、審議が進められてきた。平成19年7月12日に開催された第7回社会資本整備審議会総会において計画部会とりまとめとして「次期『社会資本整備重点計画』の策定について」が報告され、さらに平成20年5月15日に開催された計画部会及び6月27日に開催された社会資本整備審議会・交通政策審議会合同会議において、社会資本整備重点計画の経過報告がなされたところ。今後、パブリックコメント、都道府県からの意見聴取を経て閣議決定される予定である。

次期社会資本整備重点計画においては、現在の経済社会・国土を取り巻く大きな変化を踏まえて対応すべき課題として、人口減少社会・高齢化の進展への対応、安全・安心な社会の形成、環境や美しい景観の形成、社会資本ストックの老朽化への対応などが挙げられている。その上で、次期社会資本整備重点計画の重点目標分野は、【活力】【安全】【暮らし・環境】【横断的な政策課題】とすべきとされた。また、我が国の経済社会を取り巻く変化への対応や、国民に対する説明力を向上させ、より分かりやすい計画内容とするため、各分野に対応した重点目標及び指標について検討しているところである。

下水道分野においては、社会資本整備審議会下水道小委員会で示されたこれからの下水道の方向性と今後取り組む具体的な施策を位置づけていくとともに、各施策の目標を数値として示したアウトカム指標について、次期社会資本整備重点計画の中に位置づけていく予定である。


○次期社会資本整備重点計画のアウトカム目標として検討中の指標一覧
施策の方向性 施 策 指 標
安全で安心な暮らしの実現 浸水被害の軽減 ・近年発生した床上浸水の被害戸数のうち未だ床上浸水のおそれがある戸数
・下水道による都市浸水対策達成率
・ハザードマップを作成・公表し、防災訓練等を実施した市町村の割合(内水)
・浸水時に人命被害が生じるおそれのある地下街等における浸水被害軽減対策実施率
地震対策の推進 ・防災拠点と処理場を結ぶ下水管きょの地震対策実施率
水系リスク低減 ・合流式下水道改善率
良好な環境の創造 公共用水域の水質改善 ・河川、湖沼、閉鎖性海域における汚濁負荷削減率
・良好な水環境創出のための高度処理実施率
資源・エネルギー循環の形成 ・下水道バイオマスリサイクル率
・下水道に係る温室効果ガス排出削減
快適で活力ある暮らしの実現 公衆衛生の向上と生活環境の改善 ・汚水処理人口普及率
・下水道処理人口普及率
事業の継続性の確保 管理の適正化 ・下水道施設の長寿命化計画策定率
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