リレートーク

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湯川 致光(株式会社HYAKUSHO 代表取締役)

湯川 致光

瀬戸内の未来は空飛ぶクルマにあり

はじめまして、皆様。
今回、リレー執筆をさせていただくのは、株式会社HYAKUSHO代表の湯川致光と申します。香川県で吹けば遥かタクラマカン砂漠まで吹き飛ぶような弱小零細企業を経営しております。9年前に妻の実家がある高松市にIターンならぬ嫁ターンをしてきました。

簡単に自己紹介させていただきますと、私は4年前に香川県庁を辞め、起業をしました。公共のために民間から関わりたいという想いで、PPP/PFIやエリアマネジメントのコンサルティングを中心に、公共空間・施設の整備、利活用に取り組む地方自治体や民間企業のサポートをさせてもらっています。例えば、公園と道路の利活用を目的とした社会実験を地元企業や大学、市役所と連携して取り組んでいます。また、今年から塩飽諸島本島の若手漁師と一緒に養殖漁業事業にも取り組んでいます。全体的に「これは地域の未来のためになる」という仕事をしているのですが、自分でも何屋さんかわかっていません。誰か教えてください。

さて、私は、現在、高松市エリアデザイン・アーキテクトという公職を委嘱され、高松市の玄関口であるサンポートエリアの活性化について、民間の立場から高松市役所の方々と一緒に取り組んでいますが、若者(37歳)らしく、最近考えている「瀬戸内・香川の未来」について書きたいと思います。

私たちが住んでいる瀬戸内エリアは、多くの島々で成り立っています。その島間移動は主に船であり、日常的に船が行き交っています。当たり前のように、船が身近にある瀬戸内エリアですが、わたしたちのライフスタイルは船だけではなく、本州岡山から坂出まで瀬戸大橋が架橋されており、そこに高速道路と鉄道が通っています。この瀬戸大橋はこの令和5年4月10日で35周年を迎えました。私たちのライフスタイルは、こうした船や自動車、鉄道などモビリティによって支えられているのです。

ただ、最近ではそのモビリティにも変化が起きているようです。身近な乗り物で言えば、電動キックボードが日常生活でも使われるようになり、目線を宇宙へやれば、宇宙船に乗って民間人を運び、成層圏からTwitterをするようになっています。そんな中でも、わたしが一番注目している移動手段は「空飛ぶクルマ」です。いま乗っている自動車が飛ぶようなイメージですが、航空路(空の道)が整備され、誰でも手軽に活用し移動することができるようになれば、劇的に人々のライフスタイルが変わるような気がしています。
例えば、瀬戸内の島に住むひとが増えると思います。空飛ぶクルマ10分で島から高松市内にいけるのであれば、わざわざひとが多いところに住む必要はありませんし、医療へのアクセスも島に住んでいてもハードルになることはありません。もちろん教育に関しても一緒です。もしかしたら、空の道で食料品の配達も自動的にされることにより、スーパーマーケットという業態も単なる倉庫のようになるかもしれません。広島にあるコストコと高松市の離島・男木島を空の道で繋げという陳情が永田町で行われる可能性もあります。

こうしたことを考えていると、瀬戸内・香川は、これからのモビリティイノベーションによって大きく変化していく気がします。島の土地の価値もグッと上がるかもしれません。より自由に、アーキペラゴ(多島海)を享受するような時代がやってくる気がします。とてもワクワクします。これを読んだ皆様、ぜひ、こうした未来にぜひベットしていただき、瀬戸内・香川の島々にお越しください。そして、浜の波音を聞きながら、瀬戸内・香川の未来について語り合い、一杯やりましょう。

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