リレートーク

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青木 義英(せとうち観光専門職短期大学 学長)

青木 義英

私と香川県、そしてG7「都市大臣会合」開催に向けて

私が初めて高松を訪れたのは、日本で初めてとなる観光の専門職大学開設に向けた話し合いが、高松駅前にある穴吹カレッジグループの本部で行われた2017年のことでした。話し合いが行われた会議室は建物の8階にあり、そこから見える瀬戸内海の美しさに魅了されました。その日は日帰りでしたが、その後毎月、そして毎週と高松市を訪ねるようになり、そのたびに瀬戸内は良いところだと実感しました。お昼にはせっかくだからといろんなうどん屋さんに連れて行って貰いました。どこもおいしかったのを覚えています。

「せとうち観光専門職短期大学」は、3年間で3回、計15週間の臨地実務実習があります。これは、観光振興の現場で実際に実務の経験を積みながら、香川県内の観光振興について学ぶものです。この臨地実務実習の実習先となっていただくために、私たちは香川県内のいろいろな観光関連の事業者や団体を訪問し、本学の設立趣旨を説明するといったことをおこなっていました。それに伴い、私も香川県中をまわることになりました。東讃、中讃、西讃、そして島嶼(しょ)部。最初に見た海が印象に残っていたこともあり、香川県や高松市の魅力は、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々であるように思っていましたが、県内のさまざまな場所を訪れることで、その魅力は山にもあることに気が付きました。この地域は、観光立県にふさわしい、観光資源に満ち溢れた地域であり、観光振興のエキスパートの育成を目指す「観光専門職短大」を開設するには、最適な場所であると確信しました。

2022年には、短大が開学して初めての「瀬戸内国際芸術祭」が開催されました。本学の学生や教職員も、「こえび隊」としてボランティア活動に参加しました。私は観光客の立場で芸術祭の舞台となった島々を訪ねました。こえび隊のみなさんは、非常に丁寧に島の案内や作品の説明をしてくれました。ボランティアの方々は、香川県内の方だけではなく、全国から有志の方が集まっていると聞いていますが、そのホスピタリティは四国巡礼に関わる「おせったい文化」を思い起こさせるものでした。

このような私が感じた香川県・高松市の豊富な魅力や、私の経験したおせったい文化のようなホスピタリティは、ぜひとも世界に発信をし、世界中の人々に知って欲しいものであると思います。私は、これまでに50を超える国々を訪ねました。各国それぞれに素晴らしい文化を持ち、国民はその文化に誇りを持っていました。そういったその国独自の文化は、観光の力で外の人々に知って貰うことができます。私は、香川県や高松市の魅力を、同じように海外の人々にも広めていくべきだと考えています。G7「都市大臣会合」高松開催は、その良いきっかけになるでしょう。「せとうち観光専門職短大」は、学生、教職員の全学をあげて、その成功を応援したいと考えています。

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