リレートーク

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ジュリア・イニザン(KAGAWAアンバサダー)

ジュリア・イニザン

エコツーリズムに最適な学びの場は香川にある

私と讃岐国(香川県)との出会いはフランス人ブロガーとしてNPO団体「四国夢中人」の茶の湯体験ツアーに招へいされた2010年でした。讃岐の文化の奥深さに心を打たれました。その後、2013年から2015年まで高松市の国際交流員を務める機会に恵まれました。現在は在フランス日本国大使館で仕事をしていますが、有難いことに今でも高松市観光大使を務めており、今年4月に池田知事からKAGAWAアンバサダーに任命されたことをとても光栄に思っています。

讃岐富士 讃岐富士

香川県で一番思い出に残っているのは県民の皆様の「おもてなしの心」です。当地独自の「お接待」の習慣だけでなく、異文化への好奇心に溢れていることも印象に残りました。観音寺から東かがわまで、どの市町村でも国際交流協会や友好団体が積極的に外国人と絆を深めようと努力しています。2014年、高松で開催された第4回日仏自治体交流会議に参加したフランス側自治体17団体の関係者が現地での温かい歓迎に非常に感動していたことを覚えています。

Japan Expoで高松をアピール Japan Expoで高松をアピール

以後、瀬戸内海と直島はフランスで人気の観光地となり、初めての日本旅行で訪れる旅行者も増えているようです。また、高松市や瀬戸内国際芸術祭、四国遍路はヨーロッパ最大の日本文化の祭典Japan Expoやパリ日本文化会館で紹介されるほど注目を集めています。

男木島 男木島

ところで、なぜ近年フランス人は香川県に関心を寄せているのでしょうか?環境への配慮が意識されてきている今、エコツーリズムに最適の地域性を持っていることが理由の一つではないかと思います。幻想的な海ほたるが存在する、絶景の多い瀬戸内海は自然の儚さと大切さを教えてくれます。お遍路を歩きながら人生を考えたり、地元の長い歴史を肌で感じたりして、きっと意味のある旅をすることができる場所でしょう。そして、女性、子ども、障がい者でも安全に観光できる全ての人を受け入れる環境が整っています。

東谷農村歌舞伎 東谷農村歌舞伎

香川県のもう一つの魅力は、体験型観光を通じて学べることにあると考えます。個人的な経験で言えば、農村歌舞伎を演じられたことは私の一生の思い出です。

香川県漆芸研究所にて 香川県漆芸研究所にて

高松では、和三盆、漆芸、陶芸や盆栽ワークショップに参加することができ、伝統工芸・芸能の価値を理解し、次世代に継承する方法について考えさせられました。若者も伝統に刺激を受けて、例えば現代サーカスと獅子舞を同時に楽しめる、ユニークな文化を生み出しています!国際芸術祭の現代アートに地元の文化がよく活かされていることも香川らしいところではないでしょうか。

高松城 高松城

クリエイティブな発想を得意とするこの地域が、持続可能な観光という重要な課題に対応できると確信しています。今回のG7香川・高松都市大臣会合が世界中の自治体にインスピレーションを与えることを願っています。

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