平成3年の復原・改修にあたっては、下記の方針を基に実施しています。
平成3年の復原・改修にあたっては、下記の方針を基に実施しています。
●創建時の資料を基にした復原を原則とするが、大部分の資料が戦災で焼失したため、設計者の他の作品などから推定による復原も実施。
●復原に用いる材料・工法は、オリジナルを尊重するとともに、コスト、耐久性を考慮し、現在の技術も駆使。
(実施内容)
○屋根と尖塔部は、天然スレートの模様葺きと一部青銅板葺き。
○北・東のバルコニーの柱は、長さ5.5m、最大直径70cmの本物の石で復原。
○外壁上部の蛇腹と壁は、PC擬石及び創建時と同じ工場で焼いたれんがで復原。
○建具外部の屋根飾りは、耐久性を考慮してアルミ製とする。
●既存の木造屋根、床を撤去し、各階にコンクリートのスラブを新設し、耐震性、防火性を向上。
●これからもオフィスとして活用するために、執務者・外来者にとって快適な空間づくり。
(実施内容)
○既存壁を傷つけないよう、設備配管は縦に配管し、壁の穴明けを少なくするなど工夫。
○執務環境の向上やインテリジェント化に呼応し、設備、内装は現代的な内容に一新。
○創建時の写真が唯一残る司法大臣公邸大食堂の内装を復原し、展示室に活用。
○階段ホールの昭和の復旧時の内装を保全。
●外構など、明治の外観を復原した建物にふさわしく、霞ヶ関地区の景観と調和した新たな空間創造。
(実施内容)
○国会議事堂、最高裁判所とあわせ、代表的建造物としてライトアップ。
○隣接するサンクンプラザの床は、ベックマン立案の官庁集中計画案を表現。