第1 総説
〜人口の動きから見た住宅・社会資本〜
はじめに
日本の経済社会が構造的な転換点を迎えていると指摘されている中で、将来展望が明確に開けないこともあってか、ともすれば悲観論が多くを占めているように見受けられる。しかし、いたずらに悲観的になる前に、できる限り今後の我が国の課題を見通し、それに対する現有ストックの活用可能性や補うべき点を見極め、今後の方向性を模索することが必要であると考えられる。
このような観点から、今回の白書では、様々に指摘されている構造的な変化の要因の中から、過去将来にわたる動向を最も見やすい上に経済・社会に与える影響も大きい要因であり、かつ、今後の人口減少や少子・高齢化が悲観的に捉えられることの多い人口に焦点を当ててみることとした。具体的には、過去将来の人口のみならずそれに関連する動きとの関係に着目しつつ、日本がこれまで創り上げてきた国土や都市、住宅・社会資本ストックの特徴や課題、さらには人口動態の変化の中で生まれつつある社会経済の変化を捉え、その観点から改めて人口動態を見つめ直して今後の方向性を考えてみることとした。