4 住宅・社会資本の維持修繕 〜ストック・メンテナンスの世紀〜
前項までの検証により、公共投資がフロー効果として、投資額以上の需要を喚起することにより、経済を活性化させる効果があるばかりではなく、社会資本整備の目的とするサービスが提供されることにより、交通関連施設の整備により経済全体の効率化・活性化を高め、また都市生活に不可欠な道路、公園、下水道等の生活基盤施設により国民生活をより豊かにするなどの社会資本のストック効果があり、これが社会資本の生産力効果をもたらすことを述べた。
社会資本のストック効果が発揮されるには、適切な維持管理を適時行うことにより、長期にわたって国民の社会経済生活において活用されることが必要となる。このため、本項においては、将来にわたり、維持管理が必要とされる額の規模についての認識を持った上で、ストック効果を発揮しやすい維持管理のあり方について検討する。