第1節 これまで人々は景観とどのように向き合ってきたか

(都市景観の意義)

 都市の景観は伝統、文化、地域に根差し、都市の歴史の中で長期間にわたって形成されてくるものである。景観は自然の風景や建築物等のあらゆる要素が組み合って構成されるものであり、そこで生活する人々の舞台としての役割を持つため、都市に住む全ての人々のまちに対する関与と協働によって景観は形成される。また、景観は完成するものではなく、社会の価値観、制度、経済の状況を反映し、絶えず時間の経過とともに変貌するものである。