(4)地域の活性化等に資する住宅・宅地対策の推進

 地方における住宅事情は、大都市地域に比べ相対的に改善されているものの、地域の活性化、若年層を中心とした人口定着の要請等の政策課題を抱えている地方が多い。また、地方での生活の魅力の増大は、我が国の国土政策の目標である多軸型国土構造形成を可能とする重要な要素の一つであり、地方定住を促進するような良好な居住環境の形成に向けて、地域に根ざしたきめ細かな住宅・宅地対策の展開が重要である。
 このため、地方公共団体、地方住宅供給公社等の連携のもと、次の観点から施策を展開していく必要がある。
イ 地域の実情に応じた住宅・宅地施策の展開
 地域に根ざした良質な住宅宅地供給を行い、そこに住まう人々の多様なニーズに的確に応えていくため、地域の気候・風土、文化、歴史、産業、高齢化の状況などを踏まえた住まいづくりを展開していくことが重要である。また、定住の促進を通じた地域の活性化や景観の向上など地域固有の課題に対応するためにも、地域の特色と独自の発想を生かした個性豊かな住宅・住環境の整備を推進する観点から、地方公共団体による住宅マスタープランの策定を推進するとともに、これに基づく事業の推進等総合的な住宅・宅地施策を講ずることが必要である。
ロ 定住促進、地域の活性化に資する住宅宅地供給の推進
 地方圏等における地域の活性化を図るためには、大都市圏からのUJIターン者の受入れ等、地方定住の促進による人口の定着を図ることが重要である。また、活力の低下している中心市街地の活性化を図るためには、多様な世帯の居住を促進し、居住人口の回復により、そのにぎわいを取り戻すことが出来るよう多様な住宅の供給や住環境の整備を図る必要がある。
ハ 田園居住や地域間・世代間の交流の促進
 21世紀に向けて豊かな国民生活を実現し、国土の均衡ある発展を図るため、地方圏等において魅力ある住宅づくりを積極的に進める必要がある。このため、地方圏等における恵まれた自然環境などを生かした田園居住を促進するとともに、地域間、世代間の交流を図るための空間の整備を促進することが重要である。