(6)生活・文化を含めた河川伝統の継承と発展
河川は我が国の景観と山紫水明の風土を醸成し、また、先人達は長年の川とのつき合いの中で川を管理・利用してきた。一方、近年、人々と川との触れ合い、生物の生息環境としての川の重要性の再認識など、川をめぐる情勢が変化してきており、川と人との長い歴史を振り返り、先人の智恵に学ぶことの重要性が見直されてきている。
こうしたことから、平成11年1月、「川における伝統技術の活用はいかにあるべきか─生活・文化を含めた河川伝統の継承と発展─」について河川審議会から建設大臣に答申がなされた。
この中では、保存と活用に当たっては、現代技術と伝統技術を整合させ、バランスよく融合し活用することが重要であること、また、河川伝統技術の範囲は、ハード的なものだけではなく、ソフト的なものまで含めて考えることが適当であるという認識のもと、1)人、モノ、智恵の活用、2)現代の社会状況に合わせた活用、及び3)地域の主体的な参加による保存・活用を基本的考え方として、河川伝統技術の背景も含めた実態調査の充実等具体的な提言を行っている。