(7)良質な官庁施設の確保と活用
官庁施設は膨大なストックとなっており、今後、老朽化の進展に伴って修繕・改修需要が急激に増加し、膨大な費用が必要になることが予測される。これに対応するには、中長期的な視点に基づく、優先度を考慮した計画的な保全を実行し、施設を有効に利活用できる状態を維持するような保全の体制を構築する必要がある。一方、各施設の施設管理者は、経験年数が浅く、技術的知識の少ない者の割合が多い。このため、前に述べた保全を実施するためには、施設管理者が必要とする保全情報を提供するシステム及び体系的な技術基準の整備が必要である。これらの1)保全計画の立案・実行システム、2)保全情報システム、3)保全関連技術の体系化といった技術を有機的に連携させた技術を、建設省では、ストックマネジメント技術と称し、平成11年度からこの技術の構築のための検討を行っている。
平成12年度は、引き続きストックマネジメント技術の検討を行い、併せて、これに基づく保全の実施体制を、保全政令の制定も含め、整備していくこととしている。
また、建設省が所掌する官庁施設のうち、老朽化による外壁落下等の発生が懸念される施設について、物理的、科学的特性調査などによる専門的な緊急劣化診断を実施することとしている。