(2)社会資本ストックの蓄積と経済成長

 社会資本の蓄積は、各分野ごとに安全の向上、移動の円滑化、生活環境の改善といった効果をもたらすのみならず、生産性の上昇等を通して経済成長にも積極的に貢献することができる。すなわち、公共投資は短期的に需要を創出して経済を下支えするだけでなく、投資により蓄積された社会資本のストックの効果を通して経済成長に寄与することとなる。
 ストック効果に関しては、長期的に見るとGDPの伸び率に大きく寄与するTFP(全要素生産性)(注)の伸び率が、社会資本ストックの伸び率と高い相関性を持っており、社会資本ストックが生産性の上昇を通じて経済成長に及ぼす影響が大きいとする分析がなされている。このことからも、社会資本ストックの充実が経済成長に大きな貢献を果す「社会資本の生産力効果」が機能してきたと考えられる。



(注) TFP(Total Factor Productivity):労働投入量と資本ストック以外の要因によって達成された成長率。

 

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