(2)民間活力の積極的活用 -NPOを含めた市民団体との連携

 民間でできることはできるだけ民間に委ねるとの考えに立ち、社会資本の整備・管理等に民間の資金・能力をより積極的に活用するため、PFI方式等の導入に積極的に取り組んできている(詳細は 本章第1節 を参照)。
 生活・自然環境、まちづくり、それらに関連する社会資本の整備・管理、交通分野など住民に身近な分野については、特にNPO等市民団体との連携が期待されており、NPO等を主体・担い手として位置づけたり、行政と連携した取組みを進めることが望まれる。NPOの自主性を尊重しながら、行政が積極的にNPOを支援していくことも必要である。


<長良川環境レンジャーによる河川管理活動〜河川パトロールで河川利用者に教育的指導〜>

 長良川は、岐阜市周辺では「名水100選」や「水浴場55選」に選定されるなど自然豊かな川であるが、近年、河原におけるバーベキュー、モトクロス等が盛んになり、発生するゴミによる美観、環境等の問題が生じている。
 人々に対する環境保全意識の啓発や自然生態系の解説をする市民ボランティアである「長良川環境レンジャー」が10年5月に設立された。
 主な活動は、
  1.ゴミの持ち帰り啓発やゴミ清掃活動の実施
  2.長良川で泳ぐ人々等への安全啓発
  3.現場活動での気づいたことを市や河川管理者に報告、提案
  4.小学校の社会科授業にて「環境出前講座」の実施 等

 河川管理者も、各種活動に必要な資材等の提供や、環境監視センター(小屋)の無償貸与、河川法や自然環境保護に関する講習会の開催などにより、「レンジャー」の活動を支援している。

河川利用ルールの啓発とパトロールの実施

ゴミの持ち帰り啓発やゴミ清掃活動

小学校の社会科授業にて「環境出前講座」の実施



<「花いっぱい運動」栃木県>

 国土交通省では、地域住民団体等が道路管理者と協定し、道路の美化活動等を行い、それを道路管理者が用具の支給等により支援する「ボランティア・サポート・プログラム」を実施している。
 栃木県では、住民団体と市町村、宇都宮国道工事事務所が連携し、住民団体の手による道路の清掃・緑化・美化活動を実施している。

赤い花を植えている写真
赤い花を植えている写真

「花ロード」のサインボードの写真
「花ロード」のサインボードの写真

図表I-3-21 ボランティア・サポート・プログラムの基本的な仕組み
図表I-3-21 ボランティア・サポート・プログラムの基本的な仕組み


<みなとづくりに取り組む市民団体>

 静岡県清水港の清水マリンパークは、清水港の賑わい拠点として緑地やイベント広場、スケートパークなどの整備が進んでいる。11年に清水で開催された「港づくりシンポジウム」を契機に、シンポジウムのワークショップに参加したメンバーを中心に、清水港の緑地管理を中心とした市民ボランティアグループ「夢生の会」が設立され、13年6月にはNPOとなった。
 清水マリンパークを中心とした緑地等の清掃美化活動や、清水みなとまつりへの参画等、賑わいのある地域づくりのための活動を行っている。

清掃作業風景



 

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