(1)政策評価についての基本的な考え方

 国土交通省の政策評価は、省庁統合のメリットを活かした、総合的で戦略的な施策を展開するために、仕事の進め方を改革し、省としての総合的な行政マネジメントを確立することを目標として導入された。政策評価が具体的に目指すものは、成果重視・顧客重視の行政運営である。これは、顧客である国民の視点に立って、省としてのミッション(任務)やビジョンを明確に掲げ、それに照らして政策の意図や効果を明らかにすることによって、省全体として、ミッションやビジョン実現のために必要な政策を行っているか、また何を行うべきかを総合的に判断できるようにしようとするものである。これにより、個々の施策の質の向上だけでなく、予算や人員という行政組織の経営資源を、真に必要なところに適切に配分する、総合的な行政マネジメントの確立につなげることができる。
 政策評価の実施に当たっては、評価作業自体が自己目的化しないよう常に留意し、「企画立案→実施→評価→政策の改善」という政策のマネジメントサイクルを確立させてゆく必要がある。また、評価結果を公表することにより、国民に対する説明責任(アカウンタビリティ)を果たすことも、政策評価の重要な役割である。

 

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