第5章 生活の質の向上を支える豊かな居住とレクリエーション活動の推進

第1節 豊かな居住

1.良質な住宅ストックの整備・活用
 我が国の住宅ストックは、住宅総数にして5,025万戸と世帯総数(約4,400万世帯)を上回る水準に達している(平成10年住宅・土地統計調査)。しかしながら、第I部(図表I-2-8)でみたように、質の面に着目するといまだ立ち遅れている状況にある。特に、後述するように賃貸住宅の質は持家と比べて低水準にとどまっている。また、空家ストック(別荘、昼間のみ使用の住宅等を含む「居住世帯のない住宅」数)の内容をみると、レジャー用などの本当の余裕部分が少ない、また大修理を要する、危険又は修理不能のものも含まれているため、実際の余裕率は相当落ちる。
 今後、住宅政策においては、21世紀の豊かな居住の実現に向け、国民一人ひとりが多様な選択肢の中からそれぞれの人生設計にかなった住まい方を選択し、実現できるよう、国民の住生活の質の向上を目指して積極的に推進する必要がある。
 このため、今後は、新築だけでなくストックの活用にも重点を置き、新築時には耐久性の高い良質な住宅ストックの形成を促進するとともに、中古住宅市場、賃貸住宅市場、リフォーム市場の活性化を図り、ストックの有効活用を進めていく必要がある。
 こうした中、ストック重視、市場重視等の方向性を踏まえ、

 1)国民の多様なニーズに対応した良質な住宅ストックの整備
 2)いきいきとした少子・高齢社会を支える居住環境の整備
 3)都市居住の推進と地域活性化に資する住宅・住環境の整備
 4)消費者がアクセスしやすい住宅市場の環境整備の推進

を基本課題とする第八期住宅建設五箇年計画が13年3月に閣議決定された。

 

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