(1)ICカードシステムの導入促進

 現在、公共交通の定期券やSFカード等には磁気式のカードが広く利用されているが、IC(Integrated Circuit、集積回路)を内蔵したICカードは磁気式のカードに比べ、より多くの情報を記憶できる、カード自体で情報処理が出来る、高度なセキュリティ機能を有する、という特長を有している。
 無線で通信を行う非接触型のICカードは読み取り機器にかざす(軽く触れる)だけで情報のやり取りができ、出改札や運賃の支払いの際にもパスケースから取り出す必要が生じず、利便性の向上、混雑の緩和に資すると見込まれている。
 ICカードは現在、実導入及び普及の段階にあり、一部のバス事業者においてはすでにICカードを利用した乗車券システムが実用化されている。また、平成 13年11月には東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が東京近郊区間において「Suica(Super Urban Intelligent Card)カード」を導入した。さらに、13年9月より学会、産業界、行政機関のメンバーで構成される「次世代交通フォーラム」を設置し、ICカードや携帯端末等を活用した公共交通分野のIT化に関する実践的な政策研究を進めており、この一環として、同年11月、札幌において、交通系カード(非接触式)と金融系カード(接触式)を複合したICカードシステムの開発、携帯端末を利用した交通対策支援システムの開発を目的とした実証実験を行った。
 今後は、各社のカードの相互利用化等を通じ、さらに公共交通分野におけるICカードの普及を図っていくことが必要である。

図表II-8-1 ICカード乗車券の普及促進
図表II-8-1 ICカード乗車券の普及促進

 

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