(3)多様な入札契約方式の活用拡大、CM方式の導入検討

1)多様な入札契約方式の活用拡大
 公共工事において、これまで民間のもつ技術力を活用することのできる入札時VE方式、総合評価落札方式等を試行的に実施している。また、13年度からは13年3月に取りまとめられた「設計・施工一括発注方式導入検討委員会報告書」に基づいて、設計・施工一括発注方式の試行の拡大を図っている。民間等のもつマネジメント技術の活用による工事の品質確保やコスト縮減及び発注者の支援等を目的としたマネジメント技術活用方式についても、直轄工事において試行を開始している。
 これらを踏まえ、今後の評価のための第三者委員会を立ち上げて、多様な入札契約方式の本格的な実施に向けてのガイドライン、手引きの作成に取り組む。

2)CM方式の導入に向けた検討
 従来、我が国の建設生産・管理システムは、公共工事における分離発注を除き、発注者が総合工事業者に施工を一括発注する方式(一式請負方式)が多く用いられてきたが、最近の発注者のコスト意識の増大等を動機として、CM方式を活用し、建設工事をより直接的に把握・指導しようとする発注者が増えつつある。
 建設業界、設計業界、建設コンサルタント業界等においても、CM方式を活用しようとする動きが出はじめている。

<CM(Construction Management)方式>

 「建設生産・管理システム」の1つであり、CMR(Construction Manager)が、発注者の補助者として、発注者の利益を確保するため、設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や、コスト管理、工程管理、品質管理などの各種マネジメント業務を行う方式。すでに米国等では、特に大型の建築工事を中心に広く採用されている。

 国土交通省では、CM方式の普及促進に向け、12年12月からCM方式研究会を設け、普及のための課題の整理等を行っている。CM方式の活用によって、
 ・多様な建設生産・管理システムの形成による発注者の選択肢の多様化
 ・コスト構成の透明化
 ・発注者内技術者の質的・量的補完
等のメリットが期待される。

 

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