第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(高齢者の移動制約)

 高齢者は、一般に、加齢と共に脚力、視力、聴力等の身体機能が低下し、移動の際には、階段の昇降、段差の乗り越えなど、物理的に大きな制約を受けることとなる。また、施設等の案内表示やアナウンスの確認等も心理的な抵抗となるなど、移動に係る制約は極めて大きいと考えられる。高齢者世帯の増加等により、高齢者のみで外出する機会が増えれば、行きたい所へ自由に行けないという移動制約の問題が、社会的にますます大きくなるものと考えられる。
 高齢者に対する調査でも、外出時の障害として、公共交通機関や道路の使いにくさを挙げる割合が多くなっており、これらの改善は、高齢者のみならず全ての人の外出機会を増加させ、生涯現役社会の創造や健康寿命の増進にも資するとともに、今後労働人口が減少する中で、比較的健康な高齢者の労働力という人的資源を有効に活用していくためにも必要な環境整備である。

 
図表I-3-2-1 高齢者の外出時の障害

道路に階段、段差、傾斜があったり、歩道が狭いが14.5%、交通事故が多く不安が11.3%、バスや電車等公共交通機関が利用しにくいが10.9%等となっている。
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