第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(交通バリアフリーの推進)

 高齢者を含めたすべての人の移動の円滑化を図るため、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)」では、旅客施設の新設・大改良及び車両等の新規導入に際して、移動円滑化基準に適合させることを義務付けている。また、平成22年(2010年)までに主要な鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル及び航空旅客ターミナルについて、段差の解消、視覚障害者誘導用ブロックの整備、身体障害者対応型トイレの設置等のバリアフリー化を実現するという目標を定めている。さらに、街の中心として多くの人々が集まる鉄道駅等の旅客施設を中心とした一定の地区において、市町村が作成する基本構想に即して、旅客施設、周辺の道路、駅前広場等の一体的なバリアフリー化を進める制度を設けている。
 国土交通省では、交通バリアフリーを推進するため、関係地方公共団体等とも連携して、鉄道駅へのエレベーター、エスカレーターの設置、ノンステップバスやLRT(低床式路面電車)車両の導入等に対する補助を行うとともに、駅施設や駅周辺の歩行空間等を含め、より広い範囲でバリアフリー化を進めている。
 また、ハード面での対策とあわせて、国民の交通バリアフリーについての理解の増進とボランティア意識の醸成を目的として高齢者等の介助体験・疑似体験等を行う「交通バリアフリー教室」の開催、公共交通機関のバリアフリー化の状況をインターネットで情報提供する「らくらくおでかけネット」など、ソフト面の施策についても積極的に推進している。

 
図表I-3-2-2 交通バリアフリー法の概要

交通バリアフリー法では、新設の旅客施設、車両についてバリアフリー基準に適合させることを事業者に義務づけるとともに、市町村が、駅等の旅客施設とその周辺地区を重点的にバリアフリー化を進めるための基本構想を策定することができるよう規定している。

 

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