第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(1)高齢者が安心して暮らせる居住環境の確保

(高齢者居住法による賃貸住宅市場の整備)

 民間賃貸住宅においては、高齢者に関して、家賃の滞納等様々な不安が多い状況にあるため、高齢者の入居が敬遠されやすい実態がある。このような不安を解消し、民間活力と既存ストックの有効活用を図りつつ、高齢者に適した良好な居住環境が安定的に確保されるよう、平成13年4月に「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が成立し、同年10月には全面的に施行されている。
 同法においては、民間事業者等による高齢者向け優良賃貸住宅の建設・改良に対して、建設費補助等を行うことにより、その整備の促進を図ることが盛り込まれているほか、高齢者世帯の入居を拒まない賃貸住宅の登録・閲覧制度を創設し、高齢者に対する賃貸住宅情報の提供体制を整備するとともに、登録された賃貸住宅に入居する高齢者を対象とする滞納家賃の債務保証制度や高齢者が終身にわたり安心して居住できる仕組みとして終身建物賃貸借制度を創設するなど、賃貸住宅市場の整備を通じて高齢者の居住の安定を確保することを目指している。

 

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