第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(高齢者や女性が働きやすい環境の整備)

 国土交通分野の産業においては、これまで、高齢者や女性の労働力はあまり活用されてきていない。
 しかしながら、少子高齢化の進展により労働力不足が懸念される中で、高齢者や女性の労働力を一層活用することは国土交通分野の産業においても不可欠である。このため、高齢者や女性が働きやすい環境の整備を図ることにより、その積極的な就業を促進していく必要がある。
 具体的には、ITの活用や自動化等による労働環境の改善、フレックスタイム制の普及等による働き方の変化は、高齢者や女性の就業機会を増加させるものと考えられる。また、事業者が女性乗務員の確保に向けて託児所を併設するといった取組みも行われている。
 ただし、高齢者や女性の就業が進んでも、厳しい労働環境により労働力不足が深刻化することが予想される分野もあり、一層の省力化等の対策が必要である。環境負荷の低減を図るためのモーダルシフトの推進は、物流分野における労働力不足対策としても効果的である。しかしながら、労働集約型産業が多い国土交通分野においては、これらの省力化対策にも一定の限界があり、今後外国人労働力の受け入れ問題も検討すべき課題となるものと考えられる。

 

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