第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(交流人口の動向)

 交流人口には、様々な目的によるものが含まれるが、比較的統計が整っている観光目的の交流人口について、各県が集計する観光入り込み客数を集計すると、平成12年の我が国の延べ観光客数は、約23億人に上っている。一方、国内観光レクリエーションの参加回数を見ると、日帰り観光レクリエーションへの参加回数は増加してきているものの、休暇のとりにくさ等が原因となって、宿泊観光レクリエーションへの参加回数は、近年あまり変化が見られず、参加希望回数と大きな乖離が生じている。
 今後、学校週休二日制や休暇の取得等を含めた労働時間の短縮といった社会環境の変化、余暇活動の重視やマルチハビテーション(複数地域居住)など、ゆとりを求める価値観やライフスタイルの普及等により、交流人口の拡大が期待される。さらに、余暇時間の豊富な高齢者が今後取り組んでみたい活動としては、旅行の割合が高く、宿泊レクリエーションへの参加回数も高齢者の方が多くなっていること等から、高齢人口の増加は、更に交流人口を増加させる可能性が高い。
 また、国際観光旅行は世界的に見ると順調に増加しており、特に我が国を含む東アジア・太平洋地域における到着旅行者数は1995〜2000年では年平均約6%の伸びを示し、2000〜2010年にかけてさらに伸びが増加すると見込まれている。
 一方、我が国を訪れる外国人数の推移をみると、毎年、堅調に増加しているものの、平成13年には年間約500万人と国際的に見れば低水準で、日本人の海外旅行者数に比較して3分の1から4分の1に過ぎないというアンバランスな状態が続いている。このため、交流人口を増やし、地域社会の活性化と国際相互理解を図る上でも、訪日外国人観光客の増加は急務となっている。

 
図表I-3-3-1 アンバランスな日本の国際観光交流

平成13年に、日本から海外旅行に出掛けた人数は1622万人であったが、逆に、海外から日本に訪れた外国人旅行者数は477万人に留まった。また、平成12年の旅行に関する国際収支は、日本から海外へは315億ドルの支払いが行われたことになるが、海外から日本へは、34億ドルの受取りに留まっている。

 
図表I-3-3-2 年齢別宿泊観光旅行の回数

年齢別宿泊観光旅行の回数は、60歳代が最も多く、年間平均約1.4回、続いて、20歳代後半、50歳代、70歳以上が約1.3回となっており、20歳以上で最も回数が少ないのは、30歳代後半の約1.0回となっている。
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図表I-3-3-3 観光レクリエーション参加回数の推移

観光レクリエーション参加回数の推移は、昭和61年と平成13年を比較すると、日帰り参加は2.2回から3.3回へ、宿泊参加は1.1回から1.2回へ増加し、実際には参加できなかったが参加したかったとする潜在的な宿泊参加回数を含めると、昭和61年の3.2回から平成13年は5.5回へと、約2回増加した。
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