第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

コラム・事例 公共賃貸住宅と保育所の合築・併設

 女性の社会進出に伴い共働きの世帯が増えるなど、仕事をしている間、子供を預けたいというニーズが高まっていることから、都市部などの立地に優れた公共賃貸住宅団地に、保育所を合築、併設する事例が増えてきています。
 東京都では、住宅マスタープランに、「若い世代が安心して子どもを生み育てられる居住の実現に向けて、子育て支援施設を併設した民間の共同住宅の供給や公共住宅等の整備」を目標として掲げており、平成13年に第一期の入居が始まった都営港南四丁目第3団地では、昭和30年代の住宅団地の建替えにあわせて、高齢者向けやファミリー向けなど多様な住宅が入った5棟237戸の都営住宅を建設するとともに、地元区との連携のもとに区立保育所が併設されました。
 この保育所には、都営住宅の居住者の児童や周辺地域の児童約140人が通っていますが、都心へ向かうターミナル駅(品川駅)まで徒歩10分と近接していることから、通勤前に子供を預ける人も多く、また夜7時過ぎまでの延長保育が行われていて、働き盛りの若い世代にとって心強い味方となっています。
 さらに、第二期事業においては、児童館や地域開放広場の設置も予定されており、より充実した子育てを支援する環境づくりが進められています。
 このように、保育所を併設した公共賃貸住宅は、全国で約300箇所(平成14年3月現在)が既に整備されていますが、国土交通省では、一定の公営住宅の建替えにおいて、保育所等の社会福祉施設を原則として併設することとしており、今後もこのような事例が増えていくことが望まれています。
 



 

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