第II部 国土交通行政の動向 

3.水資源の安定供給

(1)水資源の現状と近年の渇水状況

 水資源を安定的に供給することは、豊かな国民生活を実現する上で不可欠である。我が国の年平均降水量は世界平均降水量の約2倍、約1,700mmであるが、1人当たりの年平均降水量でみると、世界平均の4分の1程度でしかない。また、降雨は梅雨期及び台風期に集中するとともに、河川勾配は急であるため、大雨が降っても水は一気に海まで流下してしまうなど、水資源の安定的利用を図る上では極めて不利な気候的・地理的条件となっている。このため、ダム等の貯留施設を建設し、その適切な運用により、効率的かつ安定的な水資源の確保を図っているところである。
 しかし、1人当たりの使用水量はほぼ横這い傾向にあるものの、近年の少雨傾向から、水資源の安定的な供給が課題となっており、近年においても水需要のひっ迫している地域を中心に渇水が頻発している。平成13年度は、関東、中部、近畿、四国地方において、14年度は、中部、近畿、中国、四国、九州地方において、取水制限が行われた。

 
図表II-4-2-3 日本の年降水量の経年変化(1897年〜2001年)

1897年から2001年までの日本の年降水量の経年変化は、1925年前後や1955年前後などの比較的降水量の多い年を経て、最近では、2000年は1568.9mm、2001年は1560.4mmと降水量は減少傾向にある。5年移動平均、トレンドをとってみても、年降水量の減少傾向は明確に示されている。
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