第II部 国土交通行政の動向 

3.運輸部門における対策

 運輸部門からのCO2排出量の約9割は、自動車に起因するものである。特に、1995年(平成7年)以降1999年(平成11年)までのCO2の排出状況をみると、貨物自動車については2%の減少、公共交通機関等は5%の増加となっている。一方で、自家用乗用車からの排出量は、走行距離の増加・車両の大型化により10%と引き続き増加しており、自家用自動車についての対策が不可欠となっている。このような中、平成11年から12年にかけては、内航海運による輸送量の増加、トラックの営自転換の進展及び乗用車の燃費改善等により、運輸部門からのCO2排出量が約2.1%減少する等一定の成果が上がりつつあるが、運輸部門の削減目標を達成すべく、引き続きCO2排出削減のための対策を推進することが必要である。

 
図表II-7-2-2 運輸部門における二酸化炭素排出量の推移

運輸分野における二酸化炭素排出量は、1990年から99年までは増加しているが、2000年には数パーセント減少している。今後、特段の対策をとらなかった場合の排出量から4,600万トン削減という容易ではない達成可能な目標をたて、各分野において施策を講じている。

 具体的には以下のように対策を推進している(括弧内は新たな地球温暖化対策推進大綱によるCO2排出削減見込み量)。
1)自動車交通対策(約2,950万t)
・低公害車の開発・普及等(約2,060万t)
 自動車税のグリーン化等の活用により低公害車の開発・普及を促進する。
・交通流対策(約890万t)
 ITSの推進、路上工事の縮減等により、交通流の円滑化、交通需要の調整を図る。
2)環境負荷の小さい交通体系の構築(約1,580万t)
・モーダルシフト・物流の効率化等(約910万t)
 海上輸送の競争力強化によるモーダルシフトの推進、物流の効率化等を推進する。
・公共交通機関の利用促進(約670万t)
 また、都市鉄道の整備やサービス・利便性の向上等により、自家用乗用車から公共交通機関への転換を促進するほか、船舶排出ガス問題への対応等への取組みを行っている。この他、交通流の円滑化を図るため、幹線道路ネットワークの整備等を着実に推進している。

 

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