第II部 国土交通行政の動向 

3.自然と共生する港湾の形成

(1)港湾における環境への取組み

 多様な生物の生息・生育が可能な良好な環境を回復し、快適に憩える空間の形成を図るため、自然再生事業を積極的に推進している。例えば、港湾整備により発生する良質な浚渫土砂を、沿岸漁場整備などの関係省庁との事業とも連携しつつ覆砂などに有効活用して、良質な水辺・沿岸域環境の整備を推進している。
 さらに、廃棄物海面処分場跡地等を活用した臨海部の森づくり・大規模な緑地の整備や臨海部において高度経済成長期に失われた自然海浜の再生に取り組んでいる。
 これらの実施にあたっては、事業の効果をモニタリングしその結果を事業に反映させる順応的管理手法(アダプティブ・マネジメント)を積極的に導入するとともに、事業の計画づくりから維持管理までの様々な段階において、地域住民やNPO等などの多様な主体の参画を図っている。
 また、漂流物等からの船舶航行の安全確保と海域環境の保全を図るため、特に汚染の著しい内湾、内海(港湾区域外の一般海域)である東京湾、伊勢湾、瀬戸内海及び平成14年度から有明・八代海の3湾1海域において、直轄事業により、ごみ及び油回収船によるごみ及び油の回収を行っているところである。

 
図表II-7-4-3 都市臨海部に自然を取り戻すプロジェクト

都市臨海部に自然を取り戻すプロジェクトは、具体的には、多様な生物の生息地である干潟の創造、NPOや地域住民など多様な主体の参画、臨海部大規模緑地の整備、人々が憩う都市型砂浜の再生などである。

 

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