第I部 活き活きとした地域づくりと企業活動に向けた多彩な取組みと国土交通施策の展開 

第1節 主体的な参加

 地域や企業の将来について漠然とした不安や危惧を持つ人は多いと思われるが、どれだけの人が、自ら、または人の助けとなって行動に移しているであろうか。
 活き活きとした地域づくりの取組みをみると、行政や住民、企業、NPO等が、自ら活き活きとしたより良い地域にしたいとの気持ちを抱き、そのために地域に積極的に貢献したいという意志をもって、幅広く主体的に参加している。しかし、このような参加は、自然発生的に実現したものではない。理念、将来像(ビジョン)、計画といった「目標像」を明確かつ適切に設定することにより、多数の参加者の認識を一致させるとともに、その設定過程を通じて、共通意思を形成し、参加者の主体的な取組みを促すなど、様々な努力や工夫がなされている。
 また、取組みの中心となる先導役を始めとする多様な人材の参加も得られている。しかし、当初から人材が揃っていたわけではなく、取組みの過程において、順次、人材が育成され、また、役割の交替や外部からの導入が図られている。
 企業においても、リーダーが明確な経営方針を示すことが重要であり、かつ、その方針の下で従業員が積極的に参画することにより、活力ある企業への取組みが実践されている。
 このような努力や工夫を積み重ねることにより、創造的な行動を伴う主体的な参加を得ることが重要である。

 

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