第I部 活き活きとした地域づくりと企業活動に向けた多彩な取組みと国土交通施策の展開 

第2節 強み・個性の発揮

 国の内外での地域間・企業間競争が激しくなる中で、活き活きとした地域や企業であり続けるためには他の地域や企業との差別化が必要であり、自らの強みを活かした特色ある個性的な取組みの内容が選択されている。独創的な取組みは、住民や社員の地域や企業に対する誇りや愛着を喚起し、そのこと自体が活き活きとした地域づくりや企業の取組みへとつながっていく。
 また、他の地域にない取組みは強い地域間の競争力を有するため、交流人口の増加や経済的効果にもつながっている。既存の市場で顧客を奪い合うだけでは、地域も企業もその成長には自ずと限界がある。成果を上げている企業の新技術・新商品・新サービスは、高い独自性を持たせることで、いわゆる隙間(ニッチ)市場を形成し、新たな需要を創出するとともに競争力を確保している。
 活き活きとした地域づくりや企業への取組みがこのような特色ある個性的なものとなっている理由は、その地域や企業が有する資源を有効に利用して行われていることにある。このような資源は、どの地域・企業にも存在し、「何もない」地域・企業はない。このため、まず、地域・企業を見つめ直し、資源を発掘・選択して、その活用を図っていくことが重要である。企業の取組みにおいても、従来、その企業が蓄積した技術を資源として、独自の技術や能力の新規性を高めることで、他にはできない独創的な技術や商品を生み出すことが成果を上げる要因となっている。

 

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