第II部 国土交通行政の動向 

(2)拡散安全保障イニシアティブ(PSI)の推進

 近年、世界各地で組織的なテロ活動が続発し、最近では、核・化学・生物兵器といった大量破壊兵器、その運搬手段及びその関連物資がテロリストの手に渡る危険性が強く懸念され、国際社会の平和と安定に対する深刻な脅威となっている。
 そこで、平成15年5月我が国を含む11カ国(注)が参加して、大量破壊兵器等の拡散防止のため参加国が共同してとりうる措置を検討する「拡散安全保障イニシアティブ」(Proliferation Security Initiative:PSI)が始められた。同年9月にはPSIの基本原則である「阻止原則宣言」がまとめられ、今後、参加国が単独で又は連携して、国内権限、国際法及び国際的な枠組みの下での義務に合致する範囲内で、拡散阻止のための行動をとることとなった。最近では、同宣言の内容を支持し、PSIの活動に参加する国が増えつつある。
 海上保安庁は、関係省庁とともに、阻止原則宣言の具体化のための議論に貢献するとともに、平成15年9月には豪、珊瑚海沖における豪主催の海上阻止訓練に参加、その後の西・仏主催の海上阻止訓練にもオブザーバー参加(陪席参加)した。今後とも、我が国の政府方針に従い、大量破壊兵器等の拡散阻止に積極的に取り組んでいくこととしている。

 
<平成15年9月の豪州沖での海上合同阻止訓練「Pacific Protector '03」においてヘリコプターから容疑船に降下する特殊部隊>




(注)オーストラリア、フランス、イタリア、ドイツ、日本、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スペイン、英国、米国

 

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