第II部 国土交通行政の動向 

4.国内海上交通ネットワークの充実

(1)国内海上交通ネットワークの充実及び効率化のための施策

 四方を海に囲まれた多数の島からなる我が国において、国内海上輸送は、人流のみならず我が国の産業活動を支えるなど物流の面でも欠くことの出来ない重要な輸送手段となっている。特に、近年では、モーダルシフトの担い手としての効率的な国内物流体系の構築に資する長距離フェリーやRORO船(注1)等の役割の重要性が高まっており、海上輸送と陸上輸送とが円滑かつシームレス(注2)に接続した複合一貫輸送を推進するためにも、国内海上交通ネットワークの充実及び効率化を図ることは必要不可欠となっている。
 このため、複合一貫輸送に対応した内貿ターミナルの整備とあわせ、離島における就航率の向上等輸送の安定性の確保を図るとともに、平成15年10月に設立された鉄道建設・運輸施設整備支援機構の船舶共有建造業務を活用し、モーダルシフトの推進、バリアフリーの高度化等に資する船舶への代替建造を進めている。また、国内旅客船事業や内航海運の活性化等を推進し、ハード・ソフト両面からの国内海上ネットワークの充実を図っている。


(注)1 ロールオン・ロールオフ船の略。トレーラーや商品車を自走により積み卸しする荷役方式の船舶
   2 「継ぎ目のない」の意味。公共交通分野におけるシームレス化とは、乗継ぎ等の交通機関間の「継ぎ目」や交通ターミナル内の歩行や乗降に際しての「継ぎ目」をハード・ソフト両面にわたって解消することにより、出発地から目的地までの移動を全体として円滑かつ利便性の高いものとすること。具体的には、バリアフリー対策、同一ホームによる乗り換え、相互直通運転化、接続ダイヤの設定、乗継運賃割引の拡大、共通乗車船券の設定等

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む