第II部 国土交通行政の動向 

2.高度かつ全体効率的な物流システムの構築のための施策

(1)物流における情報化等の推進

 物流事業においては、取引の効率化等業務の生産性向上を目指した取組みや、渋滞の回避等外的要因による非効率化への対策といった、多様な側面において適切にITを導入することが重要であり、また、これらの標準化等を的確に推進することが情報化による効果を最大化することにつながる。
 例えば、業務の生産性向上を目指して、物流の取引の情報化に必要な物流EDI(注1)の国内標準(JTRN)について消費者ニーズの多様化に対応するために、広く複数企業にまたがり輸送中の様々なステータスに対応した情報システムの構築を目指し、XML(注2)化に向けた検討に着手している。また、年々注目度が増している電子タグを活用して、平成15年2月に、フェリーターミナルにおけるシャーシ荷役の効率化等を目指した実証実験を実施した。今後は当実証実験及び関係事業者の協力等により得られた物流業務モデルが、物流の情報化、効率化の一助となることが期待される。
 外的要因による非効率化への対策では、ITS技術や地理情報システム(GIS)等の物流分野への活用の促進を行っている。


(注)1 EDI:Electronic Data Interchange(電子データ交換)の略。企業間のコンピュータをオンラインで結び、取引に関する情報を標準的な規約に企業間で交換するもの
   2 XML:eXtensible Markup Language:情報を表記するための次世代言語。平成10年に開発され、現在国連等において、XMLを用いたEDIの国際標準化に向けた検討作業が行われている。

 

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