第II部 国土交通行政の動向 

4.事故災害への対応体制の確立

 大規模な事故が発生した場合、特に不特定多数の旅客等を対象にする交通分野においては、速やかに現場の状況を把握し被害者の一刻も早い救助を行う等、迅速かつ適切な対応により、被害の最小化に努め、事態の収拾を図る必要がある。また、交通により支えられる国民生活や経済活動への影響を最小限にとどめるため、一刻も早い交通機能の確保・復旧に努めることが極めて重要となる。
 船舶、航空機、鉄道等の衝突や船舶からの油流出事故といった交通分野における事故災害については、災害の状況等を勘案し、国土交通省の災害対策本部を設置し、情報の収集・集約等を行い、特にその被害が大規模な場合には、災害対策基本法等に基づく政府の非常災害対策本部等を国土交通省内に設置し、迅速かつ的確な災害対策を実施することとしている。
 特に、海上においては、事故災害に迅速、的確に対応するため、巡視船艇・航空機の出動態勢の確保、防災資機材の配備の強化等を図るとともに、関係機関等との連携強化等を行うことにより、災害を最小限にとどめるための措置を講じている。さらに、的確な災害応急対策に資するよう沿岸海域環境保全情報の整備を進めており、油拡散状況・漂流予測結果を電子海図の情報等とともに画面上に表示できるシステム(沿岸域情報管理システム)の整備を行っている。
 また、近年問題が顕在化している放置座礁船については、船舶航行の障害となるとともに、漁業被害や油等の流出による海洋汚染等の被害を生じさせることから、適切な対応を行っていく必要がある。

 

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