第II部 国土交通行政の動向 

(2)大規模油流出事故に関する対応

 油タンカーによる油濁損害に対しては、船舶所有者による賠償及び国際油濁補償基金による補償を確保し、被害者保護を図っている。さらに、ナホトカ号事故、エリカ号事故を契機に、被害者に十分な補償を行う必要があるとの認識の下、平成15年11月から船舶所有者の責任限度額及び国際油濁補償基金の補償限度額が約50%引き上げられたほか、15年5月にIMO(国際海事機関)において、国際油濁補償基金の補償限度額を超える被害に対して補償するための補足基金議定書(限度額約1,200億円)が採択されたところである。また、大規模な油流出が我が国周辺で発生した場合に備えて、海洋汚染緊急時対応に関する沿岸国の協力体制の整備等を行っている。さらに、国内に「清龍丸」「海翔丸」「白山」3隻の大型浚渫兼油回収船を配備し、おおむね48時間以内に本邦周辺海域の現場まで到着できる体制を構築している。

 

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