第II部 国土交通行政の動向 

(1)次世代航空保安システムの構築

 我が国の航空保安システムは、昭和46年の雫石事故を契機に近代化が始まり、全国規模で整備された結果、航空交通の安全性、効率性及び経済性は飛躍的に向上している。
 しかし、新空港建設の進展、長距離飛行が可能な航空機の増便等により、我が国を取り巻く状況は、航空交通の質・量とも大きく変貌している。一方で、現行のシステムは電波覆域・音声通信・レーダーシステム上の限界により洋上や本邦上空での航空交通量が限界に達している。
 このため、航空交通の安全確保を最優先としつつ、今後の羽田再拡張等の空港整備に伴う航空交通量の増大等のニーズに適切に対応できるように、人工衛星やデータリンク等の新技術を活用して空域や航空路の容量を拡大するなど、我が国の航空交通の実態に適合した効率的な次世代航空システムの構築を図っている。

 
図表II-7-3-8 次世代航空保安システム

運輸多目的衛星エムティーサットにより、管制間隔の大幅な短縮、自由な飛行ルートの設定、低高度、山岳部等の航空保安サービスの充実が図られる。

 

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