第II部 国土交通行政の動向 

(4)閉鎖性海域の水環境の改善

 東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海等の閉鎖性海域では、生活排水等の流入による窒素・りん等の汚濁物質の増加、埋立等に伴う生息生物の減少による水質浄化機能の低下等の影響により水環境の悪化が進み、富栄養化による赤潮の発生や貧酸素水塊による青潮(注)の発生が慢性化し、漁業被害の発生や、漂着ごみによる環境悪化、航行障害等多くの問題が生じている。
 このような状況を改善するため、汚泥の浚渫及び覆砂による底質改善、干潟・藻場の再生・創出による水質改善等良好な水環境の創出及び美しい海域を取り戻す取組みを効果的に推進している。特に汚染の著しい東京湾、伊勢湾、瀬戸内海及び有明・八代海においては、海洋環境整備事業により、11隻の環境整備船による浮遊ごみ及び油の回収を行っている。
 また、下水の高度処理の推進及び合流式下水道の改善による海域への流入汚泥負荷の低減、モニタリングポストにおける潮流及び貧酸素水塊の監視等を行っている。


(注)内海・内湾の底層水中の酸素消費が進み、生成された貧酸素水塊が海面に浮上した状態。海表面が青色に染まるため、このように呼ばれる。

 

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