第II部 国土交通行政の動向 

(3)バラスト水中の有害水生物問題への対応

 船舶のバラスト水(注)中に混入するプランクトンなどの各種生物が、バラスト水の排出に伴って本来の生息地でない場所に移動させられることによって生態系に有害な影響を与え、人の健康や経済活動に被害をもたらすとされている。これに対し世界的に統一した規制の枠組みの必要性から、IMOにおいて、バラスト水を規制する新たな条約が2004年2月に採択された。
 日本は、バラスト水を比較的生物の少ない沖合の海水と交換する手法に関し、バラスト水の交換が可能な海域の範囲、処理装置の基準等についての提案等を積極的に行っており、IMOでさらに検討を行っていくこととしている。このほか、同問題に対する技術的な対策を早期に確立すべく、平成15年度より低環境負荷型外航船の開発の一環としてノンバラスト船型の開発等を推進しているところである。


(注)タンカーなどの船舶が空荷のときに安全確保のため、重しとして積載する海水

 

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