第II部 国土交通行政の動向 

3.地域の自主性に基づく地域特性を活かした交流拠点づくり・まちづくり

(1)地域に密着した各種事業、制度の推進

1)まちづくり総合支援事業
 市町村が中心市街地活性化等の地域の抱えるまちづくりの課題解決に向けて自らの創意工夫により策定する「まちづくり事業計画」に基づき、ハード事業からソフト事業まで多彩なメニューを地区で一括採択し、支援を行っている。補助金は地区で一括交付し、「まちづくり事業計画」の範囲内であれば個々の事業の具体的な配分等は市町村の裁量に委ねられている。(平成15年度廃止)

2)道の駅
 駐車場等の休憩施設と地域振興施設を一体的に整備することによって、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の「情報発信機能」、活力ある地域づくり、道を介した地域の連携、交流を促進する「地域の連携機能」を持つ「道の駅」の整備を進めている。平成15年8月現在、全国743箇所が登録されている。

 
<道の駅「みま」(愛媛県)>



3)水辺の交流拠点整備
 (ア)水辺プラザの整備
 市町村の行う河川、渓流沿いの交流拠点整備と連携して河川整備を行い、川を基軸とする地域の特性を活かした交流ネットワークを構築し、その核となる交流拠点として「水辺プラザ」の設置を推進している。平成15年2月現在、全国で108箇所が登録されている。

 
図表II-9-2-3 水辺プラザのイメージ

地域交流の拠点にふさわしい水辺空間として、川の資料館、親水護岸、カヌー・ボートのための川の港、キャンプ場、多目的広場、乗馬場などの施設がある。

 (イ)ふるさとの川整備事業の推進
 市民の憩いの場として水辺を再生する必要のある河川において、地域のまちづくり事業と連携し、周辺の地域特性にあわせた「まちの顔」となる良好な水辺空間を整備している。平成15年4月現在、185河川を認定している。
 (ウ)桜づつみモデル事業の推進
 河川管理者が堤防を強化し、市町村が桜等を植樹することにより、良好な水辺空間の形成を推進している。平成15年4月現在、295箇所を認定している。
 (エ)マイタウン・マイリバー整備事業の推進
 河川事業と沿川の市街地整備に関する事業を、地域の住民や学識経験者の意見を反映させながら一体的に実施し、河川と周辺地域が調和した良好な水辺空間整備を行い、安全でうるおいのある優れた都市域の形成を図っている。平成15年4月現在、4河川を認定している。

 
<ふるさとの川整備事業 新町川(徳島県)>



 
<桜づつみモデル事業 紀の川(和歌山県)>



4)地域住民の参加による地域特性に応じた河川管理
 河川環境の専門的知識をもち、豊かな川づくりに対する熱意のある人を河川環境保全モニターとして委嘱し、モニターの協力を得て、河川環境の保全・創出及び秩序ある利用のための諸業務や普及啓発活動をきめ細かく行っているほか、河川に接する機会が多く、河川愛護に関心を有する人を河川愛護モニターとして委嘱し、河川管理者はモニターの協力を得て、河川へのゴミの不法投棄や施設の異常の発見など、河川管理に関する情報収集を行い、あわせて河川愛護思想の普及啓発に努めている。
 また、河川の清掃、草刈等を行うボランティア団体、地域住民に対して、河川敷を植樹や花壇などとしての利用に開放し、地域に根ざした親しみある水辺空間の形成を図るラブリバー制度を推進している。
 さらに、市民参加型の河川管理を行うため、河川の特定の区間と住民とを養子縁組し、除草・清掃などの管理を住民が行うアドプト・プログラムを実施している。

5)地域の活性化を支える港湾(みなとまちづくりの推進)
 地域の個性ある発展を将来にわたり着実に進めるため、「みなと」の資産を住民・市民の立場から再評価するとともに、観光産業などの地域産業や海に開かれた特性など「みなと」の資産を最大限に活用して、市民の合意の下で美しく活力のある「みなと」空間を形成する「みなとまちづくり」を推進している。地域の住民、NPO、市町村、港湾管理者等が協働し自ら作り上げる「みなとまちづくりプラン」の策定を支援するとともに、事業の実施にあたっては、地域の活性化をより早く、効果的・効率的に実現できるプランについて投資の重点化を図っている。

 
図表II-9-2-4 住民等が参画・連携する「みなとまちづくり」の推進

みなとの資産を活用したみなとの振興、利用、整備等に関する実行計画について検討し、みなとまちづくりプランの策定を行っている。さらにそれを各主体が着実に実行し、自己評価・構想の見直しを行う、みなとまちづくりを実践し、活力あるみなと空間を創出している。

 

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