第II部 国土交通行政の動向 

(2)自然・歴史・文化を活かした地域づくり

1)国家的記念事業や我が国固有の文化的遺産の保存・活用
 国家的な記念行事として、又は我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため、閣議の決定を経て設置する国営公園の整備を推進しており、平成15年度までに5公園が開園している。

2)古都における歴史的風土の保存
 京都市、奈良市、鎌倉市等の古都においては、古都保存法に基づき、建築物等の新・増・改築、宅地の造成等行為の制限を行うとともに、土地の買入れ等古都保存事業、普及啓発活動等を実施することにより、歴史的風土の保存を図っている。平成15年10月に新たに大津市を追加し、現在、10市町村が古都として定められている。

3)歴史的な公共建造物等の保存・活用
 歴史的建築物の保存、地域の特性を活かした施設整備、文化的象徴となる施設整備等により、歴史・文化、地域活性化等に資する官庁施設整備を推進している。
 また、文化財に相応しい適切な維持管理、周辺の一体的整備等により、豊かな自然環境と地域を守り続けてきた歴史的価値を有する砂防設備を核とした地域活性化を推進している。

 
<大津市の風景(三井寺)>



 
<横浜税関>



4)歴史と文化の薫るみなとづくり
 (ア)歴史的港湾環境創造事業
 石積みの防波堤、護岸等の今なお残る歴史的港湾施設を港湾文化の貴重な財産として保全・活用しながら、周辺地域の文化的で歴史的な薫りの漂う快適で潤いのあるウォーターフロント空間としての創出を図っている。
 (イ)港湾景観形成モデル事業
 港の特色を活かした良好な景観形成を図るため、モデル的な港湾において、景観形成のための計画を策定し、これに基づき港湾景観の積極的な向上を図っている。
 (ウ)瀬戸内・海の路事業
 瀬戸内海に面した地域においては、古来から人々が海と親しみ、豊かな自然と貴重な歴史的資源が数多く存在していることから、これら個々の歴史的資源を有機的、広域的に結びつけ、新たな交流圏を創造する瀬戸内海地域の一体化を図ることにより、地域振興を推進している。

 

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