第I部 東アジアとの新たな関係と国土交通施策の展開 

(日本と東アジア諸国・地域との間の生産分担関係の構築)

 貿易面から見ると、東アジア諸国・地域と日本との間の貿易額は増加している。
 日本の東アジア諸国・地域への輸出額は、2003年(平成15年)には24兆8,033億円(対1980年比3.23)となっており、特に中国の伸びが著しい(6兆6,355億円(対1980年比5.82))。その結果、日本の輸出額全体に占める東アジア諸国・地域のシェアも拡大して45.5%となり、EU(15.3%)、NAFTA(26.9%)が占めるシェアを大幅に上回っている。また、東アジア諸国・地域の輸入額のうち、日本からの輸入額が占める割合は約17%となっている。
 次に、日本の東アジア諸国・地域からの輸入額は、2003年(平成15年)には19兆3,943億円(対1980年比2.45)となっており、特に中国の伸びが著しい(8兆7,311億円(対1980年比8.93))。その結果、日本の輸入額全体に占める東アジア諸国・地域のシェアも拡大して43.7%となり、EU(12.8%)、NAFTA(17.8%)が占めるシェアを大きく上回っている。また、東アジア諸国・地域の輸出額のうち、日本への輸出額が占める割合は約11%となっている。
 このように東アジア諸国・地域と日本との間の貿易額は増加しており、特に中国については、香港を含めた場合、2004年(平成16年)には輸出額・輸入額合計(速報ベース)でアメリカを上回り、日本の最大の貿易相手国となった。

 
図表I-2-1-14 日本の輸出額(方面別)の推移

日本の輸出額は1980年の約29兆円から2003年の約5兆円と大きく増加しており、東アジア諸国・地域のシェアも1980年の約22%から、2003年の約45.5%と大きく増加している。
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図表I-2-1-15 日本の輸入額(方面別)の推移

日本の輸入額は1980年の約32兆円から2003年の44兆円と増加しており、東アジア諸国・地域のシェアは1980年の約26.4%から2003年には約43.8%と大きく増加している。
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 東アジア諸国・地域と日本との間の貿易の品目内訳を見ると、日本の東アジア諸国・地域への輸出については、2003年(平成15年)には、電子部品が第1位、自動車の部分品が第8位、音響・映像機器の部分品が第9位となっている。また、輸入については、半導体等電子部品が第3位となっている。

 
図表I-2-1-16 日本の対東アジア諸国・地域の貿易品目(2003年)

日本の対東アジア諸国・地域の貿易品目のシェア(2003年)上位3位の品目は輸出では電子部品が13.5%、鉄鋼が6.4%、科学光学機器が4.9%の順であり、輸入では事務用機器が11.3%、衣類・同製品が10.2%、半導体等電子部品が7.3%となっている。
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 このように、輸出入ともに部品が多いことは、東アジア諸国・地域と日本との間で生産分担関係が生じていることを示しているが、こうした生産分担関係の成立が、物流の増大をもたらすとともに、業務渡航の増大を通じた人流の増大にもつながっていると推測される。また、こうした生産分担関係の構築と軌を一にして、日本企業の海外現地法人数は、東アジア諸国・地域、特に中国を中心として増加し、海外生産比率も上昇している。

 

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