第II部 国土交通行政の動向 

4 民間都市開発の推進

(1)都市再生緊急整備地域で進む民間都市開発

 「都市再生特別措置法」に基づき、都市再生の拠点として緊急に整備を図るべき地域である「都市再生緊急整備地域」としては、平成16年12月末現在で東京・大阪を始め政令指定市や県庁所在市等、計63地域が指定されている。
 現在、各地域において様々なプロジェクトが着々と進行しており、以下にいくつかの事例について紹介する。

1)東京駅・有楽町駅周辺地域
 本地域では、業務・商業ビルが相次いで開業し、東京駅周辺の新たな名所となり、まちは賑わいを見せている。また本地域は、民間事業者による無料巡回バスの運行や地方公共団体と民間等との協力によるまちづくりルールの策定など、まちづくりへの取組みが活発に行われている。
 今後も東京駅赤レンガ駅舎の保存・復原や本駅舎の未利用容積を活用したプロジェクト等、複数の開発計画が予定されており、我が国の顔として歴史と文化を生かしたうるおいと風格ある街並みを形成していくことが期待される地域である。

 
<東京・丸の内北口地区再開発>



 
<大阪・大阪駅北地区>



2)大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺地域
 本地域のうち、産学官が連携して、関西の都市再生をリードする国際拠点の形成を目指す取組みを推進している大阪駅北地区(梅田貨物駅跡地)については、大阪市が平成16年7月に国際ビジネス・文化交流拠点の形成等を目指す基本計画を策定し、同年12月に先行開発区域における都市基盤施設整備に係る都市計画を決定した。またJR西日本は、大阪駅改良・新北ビル開発計画を策定し、駅の改良工事を実施している。
 今後、先行開発区域については、土地区画整理事業による基盤整備と並行して民間開発が進められる予定となっている。

3)高松駅周辺・丸亀町地域
 20年の歳月をかけ進められてきた高松駅周辺の再開発事業「サンポート高松」が平成16年春に完成した。香川県、高松市、民間事業者が一体となって整備した「高松シンボルタワー」を始め、多目的広場、公共地下駐車場などが整備されている。タワー内には、国際会議場、情報通信交流館、サンポートホール高松などの公共施設と民間オフィス、商業施設が整備され、多くの来訪者で賑わっている。
 また、丸亀町地域では、中心市街地活性化のため、振興組合、まちづくり会社、百貨店などが連携し、商店街において市街地再開発事業を進めている。

 
<高松・サンポート高松>



 

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