第II部 国土交通行政の動向 

3 優良な宅地供給の促進

(1)計画的な宅地供給の促進

1)供給基本方針
 三大都市圏の大都市地域においては、国土交通省が策定した「住宅及び住宅地の供給に関する基本方針」により平成8年度から17年度までの10年間の住宅地の供給目標量を43,100haと定め、優良な宅地供給の促進に努めている。

2)大都市地域における優良な宅地供給の促進
 大都市地域における優良な宅地供給を促進するため、税制や融資の特例措置の対象となるものとして、「大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法」に定められた土地利用計画、居住環境保全、福祉等に関する一定の基準を満たす事業を国土交通大臣が認定している。

3)関連公共公益施設の整備の推進
 良好な住宅及び宅地の供給を促進するため、関連して必要となる道路、公園、下水道、立体駐車場等の公共公益施設について、通常の国庫補助事業に加え、これとは別枠予算の住宅市街地基盤整備事業により、その整備を推進している。

4)宅地造成融資
 宅地開発事業への安定的な資金供給のため、良質な住宅地を供給する宅地開発事業者に対し、住宅金融公庫が長期低利の資金を安定的に供給し、優良な宅地供給を促進している。

5)市街化区域内農地の計画的な宅地化の推進
 都市における良好な居住環境の形成に資するため、「特定市街化区域内農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法」による税制、融資、事業等の特例や、農住組合制度(注1)等の活用により、市街化区域内農地を計画的に住宅地等へ転換し、農地を生かした良好な住宅地等の供給を推進している。

6)公的機関による宅地開発(注2)
 まちづくりと連動した職住近接やゆとりある居住空間実現に資する宅地供給を行うため、公的機関により、良好な居住環境整備を伴った計画的な宅地開発を行っている。

 
図表II-4-2-7 公的機関による宅地開発の実績

公的機関による宅地開発の実績は、事業実施中のものも含めて、都市再生機構では地区数286、面積42,790ヘクタール、地方公共団体では地区数373、面積10,199ヘクタール、地方住宅供給公社では地区数293、面積3,731ヘクタールとなっている。
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7)つくばエクスプレス沿線地域における宅地開発の推進
 鉄道整備(平成17年度開業予定)と沿線宅地開発事業を一体的に行っており、重点地域等沿線18地区で土地区画整理事業を行っている。


(注1)市街化区域農地の所有者が、当面営農の継続を図りながら、その農地を円滑に住宅地等に転換するために設けられるもの。
(注2)都市基盤整備公団及び地域振興整備公団の地方都市開発整備部門については、平成16年7月設立の独立行政法人都市再生機構に統合された。機構は、宅地開発事業(ニュータウン事業)については既に着手済の事業のみを行い、新規事業は行わない。

 

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