第II部 国土交通行政の動向 

(3)都市鉄道ネットワークの充実

 大都市圏における鉄道の通勤・通学時の混雑は、これまでの輸送力の増強に加え、景気の長期低迷、少子高齢化の進展等ともあいまって全体として低下傾向にあるものの、一部の路線・区間において、ピーク時には依然として200%を上回る混雑率となっている。

 
図表II-4-4-2 三大都市圏の最混雑区間における平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移

平成15年度の平均混雑率は、東京圏で171%、大阪圏で137%、名古屋圏で146%であり、昭和50年度以降低下傾向にある。輸送力は東京圏で164%、大阪圏で132%、名古屋圏で158%であり、平成7年度以降は微増、ないし横ばい傾向にあるが、昭和50年度から平成15年度までで見れば上昇傾向にある。輸送人員は東京圏で128%、大阪圏で93%、名古屋圏で114%であり、平成2年を境に低下傾向にある。
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 運輸政策審議会(現交通政策審議会)の答申(平成12年8月)において、混雑率に関する指標として、大都市圏における都市鉄道のすべての区間のそれぞれの混雑率を150%以内(東京圏については、当面、主要区間の平均混雑率を全体として150%以内とするとともに、すべての区間のそれぞれの混雑率を180%以内)とすることとされている。この答申を踏まえ、引き続き混雑緩和に向けての施策に取り組んでいくとともに、鉄道利用者の利便性向上を図るため、更なる速達性の向上や乗継負担の軽減等により、円滑な移動を実現すべく、都市鉄道ネットワークを一層充実させていくこととしている。

 
図表II-4-4-3 整備中の主な都市鉄道新線

仙台空港鉄道仙台空港線、東京地下鉄13号線、大阪港トランスポートシステム北港テクノポート線等の整備が行われている。
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図表II-4-4-4 鉄道とバスとの乗継ぎの円滑化の事例(広島電鉄宮島線平良駅)

千葉都市モノレール1号線、ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線、愛知高速鉄道東部丘陵線、神戸新交通ポートアイランド線等の整備が行われている。

 

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