第II部 国土交通行政の動向 

(2)マリーナの整備

1)マリーナの整備支援
 海洋性レクリエーションの振興を図るため、プレジャーボートの活動拠点となる港湾のマリーナ及び河川の船舶係留・保管施設(河川マリーナ)の整備を促進するため、民間や第三セクターが行う港湾のマリーナ並びに民間が行う河川マリーナの整備に対して、日本政策投資銀行による長期・低金利の融資等の支援を行っている。
 地方公共団体や第3セクターにより整備された港湾のマリーナは、平成16年3月末時点で65箇所にのぼり、プレジャーボートの保管だけでなく、海洋性レクリエーション活動、自然体験活動等の拠点として市民に広く利用されている。

2)放置艇対策
 平成14年に実施したプレジャーボートの全国実態調査では、港湾、河川、漁港の水際線近傍で確認されたプレジャーボートのうち、約6割(約13.4万隻)が放置艇であった。放置艇(不法係留船を含む)は、他の船舶の航行を阻害するとともに、洪水・高潮時等における流水の阻害、艇の流出による災害の発生等社会問題として顕在化している。
 このような放置艇の問題については、係留・保管能力の向上と規制措置を両輪とした対策を行うことにより、放置艇を適切な係留・保管場所へ誘導することが必要である。このため港湾においては、既存の静穏水域等を活用した簡易な係留・保管施設であるボートパークの整備を推進するとともに、民間マリーナ等の整備に対する財政投融資等による支援や民間活力の活用を図ることにより、係留・保管能力の向上を図っている。また、「港湾法」に基づき、船舶の放置等を禁止する区域等の指定を促進するなど規制措置の強化に取り組んでいる。

 
図表II-4-6-2 全国の水際線近傍での係留・保管状況

全国の水際線近傍での係留・保管状況は、平成14年度の調査では、確認された艇数約22万隻のうち、放置が59%、マリーナ等が22%、マリーナ以外が19%となっている。
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図表II-4-6-3 放置艇の水域別状況

放置艇の水域別状況は、平成14年度調査では、港湾単独区域が44%、河川単独区域が21%、漁港単独区域が24%などとなっている。
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3)沈廃船対策
 繊維強化プラスチック(FRP)製プレジャーボートの沈廃船は、過去からの未処理分を含め毎年600隻以上が確認されており、このうち約半数は新たに確認されたものである。確認された沈廃船に対しては、小型船舶の登録制度の活用や、廃船指導票の貼付等により所有者の割出しを行い、適正な処理を促している。さらに、故意に船舶検査済証を剥がしたり、船名を消したりしたような悪質な廃船の不法投棄事犯については、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」等の関係法令に基づき取締りを行っている。また、港湾管理者が港湾の利用上支障となっている所有者不明の沈廃船を処理する事業に対して補助を行っている。

 

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