第II部 国土交通行政の動向 

(2)スーパー中枢港湾プロジェクトの推進

 アジア域内において港湾間競争が激しさを増す中で、我が国港湾は、相対的地位を低下させている。我が国港湾の競争力の低下は、コンテナ船基幹航路の寄港頻度の減少を招き、最終的には、我が国における産業立地の優位性を損なうこととなる。このため、我が国の経済活性化に必要な産業競争力の回復等のため、経済活動を根底から支える港湾の国際競争力の重点的な強化が喫緊の課題となっている。
 このような状況にかんがみ、スーパー中枢港湾プロジェクトを推進している。スーパー中枢港湾は、アジア主要港を凌ぐコスト・サービス水準の実現を図るため、港湾コストの約3割低減及びリードタイム(船舶の入港から貨物の引き取りが可能となるまでの時間)の1日程度への短縮(現状3〜4日)を目標とするものである。
 平成16年7月には、京浜港、伊勢湾(名古屋港・四日市港)及び阪神港をスーパー中枢港湾に指定した。16年度においては、これらの港において、ターミナルシステムの統合・大規模化、IT化等に係る社会実験を行っており、今後は指定された各港においてスーパー中枢港湾プロジェクトの目標達成のための次世代高規格コンテナターミナル(注)の形成を図っていく。

 
図表II-5-4-2 スーパー中枢港湾プロジェクトの推進

スーパー中枢港湾は、アジア主要港湾を凌ぐコスト・サービスの実現を図ろうとするものである。具体的には次世代高規格コンテナターミナルにおいて、港湾コストは現状より約3割低減し、リードタイムは現状3〜4日をシンガポール港並みの1日程度まで短縮することを目標としている。

(注)中継機能の拡充を含む需要の拡大を通じて、規模の経済等を生かした国際的な競争力を有するコンテナターミナル

 

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