第II部 国土交通行政の動向 

4 我が国海洋権益の保全

(1)尖閣諸島等における領海警備の強化

 我が国を囲む領海、排他的経済水域等においては、様々な領土問題や資源問題が生じているが、海洋権益の保全のためには、領土の保全のみならず、海洋における秩序の維持が極めて重要である。
 海上保安庁は、尖閣諸島領海において、常時巡視船艇を配備し、定期的に航空機をしょう戒させる等の警備に取り組んできたところであるが、平成16年3月に中国人活動家による不法上陸事件が発生したことから、さらに警備手法や関係省庁との連携及び情報収集体制の強化を図るとともに、機動力のあるボートの搭載、巡視船艇への補給機能、航空機との連携機能等の拠点機能を強化した巡視船艇の整備等に取り組むこととしている。
 また、我が国排他的経済水域において海洋法条約で定められた同意を得ることなく海洋調査を行う外国海洋調査船に対しては、外務省とも連携し、現場及び外交ルートを通じ、調査中止要求等を行っており、国土の約12倍に及ぶ広大な我が国排他的経済水域において、外国海洋調査船に迅速に対応するため、監視能力、航続性能を強化した新型航空機を配備することとしている。

 

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