第II部 国土交通行政の動向 

(7)各分野における多国間の取組み

1)道路分野での取組み
 世界道路協会(PIARC/WRA)に設置されている技術委員会に委員を派遣し、積極的に活動している。また、アジアオーストラレイシア道路技術協会(REAAA)の活動にも参加し、国際活動を推進している。

2)港湾分野での取組み
 韓国・中国との3国間では、北東アジア港湾局長会議を毎年秋に開催しており、2004年(平成16年)11月には韓国において、「港湾保安に関する取り組み状況」、「港湾の後背地開発による港湾の競争力強化」等をテーマに、活発な議論が行われた。また、日韓中三国による共同研究(クルーズ、フリー・トレード・ゾーン(FTZ(注1))、設計法関連)の第1年目の成果が報告されており、引き続き来年の中国での開催に向けて活発な研究が進められている。

3)海事分野での取組み
 シップリサイクル(注2)に関しては、リサイクルヤードからの海洋汚染や劣悪な労働環境が問題となっている。このため船主、造船事業者、リサイクルヤードなど、船の一生を通じて関係する者それぞれの責任と役割について、IMO、国連環境計画(UNEP)、ILO等の国際機関で議論されている。国土交通省は、シップリサイクル検討委員会において検討を進めながら、この議論に参加している。

4)海上保安の分野での取組み
 アジアや北太平洋地域の各国海上保安機関との間で長官級会合を開催するなど、海上犯罪の取締り、船舶交通の安全確保等の分野において、多国間の連携・協力を推進している。

5)地図分野の取組み
 我が国は、統一形式のデジタル地理情報を全陸域で整備する「地球地図プロジェクト」の国際運営委員会事務局を担当し、地球地図データ第1版を2007年(平成19年)に完成させることを目標に、データ整備、普及活動を進めている。また、国連アジア太平洋地域地図会議の推進母体である「アジア太平洋GIS基盤常置委員会」の事務局を務めている。


(注1)自由貿易地域又は指定保税地域と呼ばれる地域
(注2)寿命に達した船舶は、解体され、その大部分は鉄材などに再活用される。

 

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